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平成20年第4回定例会(第2日) 名簿 開催日:2008-09-16
平成20年第4回定例会(第2日)  本文 開催日:2008-09-16

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  1. 福岡市議会 2008-09-16
    平成20年第4回定例会(第2日)  本文 開催日:2008-09-16


    取得元: 福岡市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                                         午前10時1分 開議 ◯議長(川口 浩) これより本日の会議を開きます。  日程第1、一般質問を行います。発言通告者のうちから順次質問を許します。三角公仁隆議員。 2 ◯17番(三角公仁隆) 皆さん、おはようございます。トップバッターということで、いささか緊張しておりますが、始めさせていただきます。  私は、みらい福岡市議団を代表いたしまして、学力向上、特別支援教育について、並びに、こども総合相談センター機能強化事業について、以上2点についてお尋ねいたします。当局の明快な答弁を期待しております。よろしくお願いいたします。  初めに、学力向上についてお伺いいたします。  私は、以前から申しておりましたように、子どもたちの生きる力をはぐくむためには、1人1人の個性を生かしながら、基礎学力をつけることが大事だと考えております。とにかく学校が楽しい、授業が面白い、そして1人1人が夢や希望を持って自立するために必要なきめ細かい指導をお願いしてまいりました。本市においても、さまざまな取り組みがなされているところです。  さて、新聞等の報道でも学力テストの分析などが話題になっております。北九州市学力向上検証改善委員会によりますと、小中学校ともに言葉についての知識、読む力、書く力、図形や式、計算などの意味を考える力、証明問題などで論理的に説明する力などの、すべての教科の土台になる言葉の力、いわゆる言語力が十分に身についていないことが課題であることから、言葉の力の向上に取り組むことが必要だと考え、新聞などにも音読暗唱ブック「ひまわり」を使った活動が紹介されておりました。また、福岡県では、私が話をお伺いしたところ、ふくおか学力アップ推進事業を実施し、特に課題を抱える学校に力を入れて支援をする取り組みなどをなされていました。  そこで、本市が学力調査で把握した課題とは何か。学力向上のために課題の多い学校などに対しては、どのような支援が行われているのかお尋ねします。さらに、20年度新規事業、学力パワーアップ総合推進事業の具体的な取り組みについてもお尋ねします。また、20年度より配置された、小学校の専科教員モデル校28校の教科についても教えていただきたいと思っております。  次に、理科支援員についてですが、理科支援員は平成19年度より配置されておりますが、これは科学技術振興機構が行う事業で、外部人材を理科支援員や特別講師として活用することにより、小学校5、6年生の理科の授業における観察実験活動の充実を図るとともに、教員の資質向上を図ることにより、小学校の理科授業の充実を図ることを目的としたもので、文部科学省が推進する理数教育の充実のための施策だと聞いております。  そこで、本市における理科支援員の目的、活動内容、どのような人材をどのように配置されているのか、実態についてお尋ねします。  次に、特別支援教育についてお伺いいたします。  平成19年度から、学校教育法等の一部を改正する法律が施行され、特別支援教育が本格実施となり、複数の障がい種別を受け入れることができる特別支援学校の制度に転換されました。これに伴い、本市では病弱と知的障がいに対応できるように屋形原特別支援学校が再整備されました。また、特別支援教育では、これまでの特殊教育、いわゆる障がい児教育の対象の障がいだけでなく、知的なおくれのない学習障がい、いわゆるLD、注意欠陥多動性障がい、ADHD、高機能自閉症などの発達障がいも含めて、特別な支援を必要とする幼児、児童生徒が在籍するすべての学校において実施されるものです。そこで、1人1人のニーズを把握して、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善または克服するために、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行い、さらに障がいの有無やその他の個々の違いを認識しつつ、さまざまな人々が生き生きと活躍できる共生社会の形成の基礎となるものであります。本市においても、特別支援教育コーディネーターの研修や特別支援学校が専門性を生かして地域の小中学校の支援を行ったり、専門家チームによる巡回教育支援などのさまざまな取り組みを進められているようですが、本市の各小中学校における特別支援教育の推進体制や、その整備状況はどのようになっているのかお尋ねします。  また、小中学校においては、障がいのある子ども1人1人に応じた指導目標や内容、方法を示した個別の指導計画及び関係機関との連携による乳幼児期から学校卒業まで一貫した教育的支援を行うための個別の教育支援計画の作成が進められていますが、その状況はどうなっているのかお尋ねします。  文部科学省の調査によりますと、LD、ADHD、高機能自閉症など学習や生活面で特別な教育的支援を必要とする児童生徒については、約6%の割合で通常学級に在籍している可能性を示しています。そのことを踏まえ、小中学校において、さまざまな障がいを持つ児童生徒に対する学校生活上の介助や学習活動上の支援などを行う特別支援教育支援員が、20年度より本市においても配置されたと聞いております。  そこで、特別支援教育支援員は何校くらいの希望があり、そのうち何校に配置されているのかお尋ねします。また、どのような方が配置され、その職務内容や勤務形態について、あわせてお尋ねします。  次に、こども総合相談センター機能強化事業についてお伺いいたします。  昨今、虐待や養育放棄などの痛ましい事件が続き、子どもが親からの愛情をしっかり受け取ることができず、家庭の中で落ちついて育つ環境が整わないなど、子どもを取り巻く問題は深刻化しております。  そこで、こども総合相談センターの相談、支援体制のさらなる充実を図るため、20年度は一時保護所の拡充を行い、定員を35名から40名に、また、小集団活動や個別ケアを実施すると聞いておりますが、その内容や一時保護所の目的、機能、どのような相談で子どもたちを保護し、その期間や退所後の状況などについての実態をお尋ねします。また、現在、一時保護所では学校の通常学級で6%程度在籍しているという発達障がいの子どもの割合はどのくらいなのか、状況もお尋ねいたしたい。
     以上で1問目を終わり、2問目以降は自席にて質問させていただきます。 3 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 4 ◯教育長(山田裕嗣) 学力向上、特別支援教育についての御質問にお答えをいたします。  まず、平成20年度全国学力・学習状況調査は、小学校6年の国語、算数、中学校3年の国語、数学における児童生徒の学力の実態について調査したものでございます。その調査結果から本市が把握した課題についてでございますが、知識、技能の定着については、全国と同程度の結果となっております。また、知識、技能を活用する力につきましても、全国と同程度の結果となっておりますが、全国的にも本市においても課題となっております。さらに、あわせて実施した質問紙調査によりますと、学習が好きといった意識や学習が大切である、役に立つという意識などと、教科の学力とに大きな相関関係があることなどが明らかになっております。  次に、学力向上のための学校への支援についてですが、教育委員会としましては、本市の学力の課題解決のため、本年度から学力パワーアップ総合推進事業をすべての小中学校で実施しております。各学校への支援につきましては、授業改善の手引を作成し、全教職員に配布するとともに、研修会等において日常的な授業改善の取り組みについての指導を行っております。また、各学校の学力向上推進プランの分析をもとに、学校訪問や授業研究会等の機会を通して、それぞれの学校の課題解決に向けた取り組み内容について、指導、助言を行っております。  次に、学力パワーアップ総合推進事業の具体的な取り組みについてでございますが、各小中学校におきましては、自校の課題を克服するために、基礎、基本学力や理数系学力、国語力向上などの6つの学力向上プランからいずれかを選び、地域人材を活用した授業サポーターによる個別指導や、自主学習や家庭学習を支援する取り組みを行うなど、よりきめ細やかな指導方法や指導体制の創意工夫を行っております。教育委員会といたしましては、本市の学力向上施策について協議、検討を行う学識経験者や保護者代表等から成る学力向上検討委員会や、6つの学力向上プランごとの推進拠点校を中心にして、学力向上の取り組みの充実を図っております。また、教材開発の費用とともに、教員が授業づくりに専念できるように、個別指導や家庭学習をサポートするボランティア等を活用するための経費を交付して、学校が保護者、地域の協力を得ながら取り組めるよう支援しております。  次に、モデル校28校における専科教員の担当教科についてでございますが、複数の教科で実施している学校もあるため、延べ数となりますが、理科が17校、家庭科が6校、音楽が5校、図工が4校、国語、社会、算数が各1校となっており、実験に準備を要する理科が全体の6割の学校で実施されているほか、実技系の教科での実施が多くなっております。  次に、理科支援員についてのお尋ねでございますが、理科支援員は、観察実験等において児童に理科の楽しさ、面白さを味わわせ、小学校の理科学習の充実を図るとともに、教員の指導力の向上を目的として配置しております。活動内容としましては、観察実験の準備や後片づけ、児童への学習支援などがあります。人材については、理科に興味、関心のある校区の方や大学生、退職教員などを登録し、小学校5、6年生の学級数の多い学校に配置しております。本年度は、18校138学級に34名の理科支援員を配置しております。  次に、小中学校における特別支援教育の推進体制や、その整備状況につきましては、すべての小中学校において校内支援委員会を設置し、特別な配慮を要する児童生徒の実態把握、個に応じた指導目標及び指導内容、方法の検討を行っております。また、養成研修を受講した教員の中から指名を受けた特別支援教育コーディネーターが中心となって、学校における特別支援教育を推進しております。  次に、小中学校における個別の指導計画及び個別の教育支援計画の作成状況に関してのお尋ねでございますが、特別支援学級通級指導教室においては、すべての児童生徒を対象に個別の指導計画及び教育支援計画を作成しております。この計画は、児童生徒1人1人の教育的ニーズにこたえるために必要なものと考えており、今後、通常の学級におきましても、保護者の理解と協力を得ながら作成に努めてまいりたいと考えております。  次に、特別支援教育支援員につきましては、希望があった小中学校102校の中から、行動面の問題が頻繁に見られるなど緊急度が高いと判断される小学校28校、中学校9校、合計37校に配置しております。配置に当たりましては、市政だより、市のホームページ等特別支援教育に関心を持っている方、任用期間を確実に勤務できる健康な方を募り、各配置校において面接等の選考を行って採用者を決定しております。職務内容につきましては、発達障がいの児童生徒に対する学習支援、児童生徒の健康や安全確保、運動会や学芸会等、学校行事における介助等としており、勤務形態につきましては、勤務時間は1日5時間、勤務日は月曜日から金曜日までの週5日で、地方公務員法に基づく臨時的任用職員として任用しております。以上でございます。 5 ◯議長(川口 浩) 大場こども未来局長。 6 ◯こども未来局長(大場美徳) こども総合相談センターに関します御質問にお答えいたします。  まず、一時保護所の拡充でございますが、一時保護所におきましては、近年、集団になじみにくい児童が増加しております。このため、本年度教育委員会から移管を受けましたセンター3階フロアに一時保護所を増設し、個室で小集団の落ちついた環境のもと、個々のニーズに応じたケアを行っております。  一時保護の目的や機能、どのような相談で子どもたちを保護するかにつきましては、保護者の入院や虐待、家庭内暴力、非行など、子どもが家庭で生活できない場合に保護を実施し、支援に役立てるための行動観察や心理ケア、生活支援などを行っております。保護の期間につきましては、平成19年度の1人当たり平均保護日数は約32日となっております。  退所後の状況につきましては、退所者372名のうち244名が家庭引き取り、79名が児童福祉施設入所、19名が里親委託となっております。なお、家庭引き取りは全体の約66%に当たります。また、発達障がいの子どもの割合につきましては、本年8月1日時点で、入所児童40名中、ADHD、注意欠陥多動性障がいなどの診断を受けている児童は7名でございまして、全体の約18%となってございます。以上でございます。 7 ◯議長(川口 浩) 三角公仁隆議員。 8 ◯17番(三角公仁隆) まず、学力パワーアップ総合推進事業に関してですが、国において、平成20年度から、学力向上支援のために非常勤講師の予算が措置されたと聞いています。県が国からこの予算を受けて市町村に非常勤講師を派遣するとのことですが、この制度の概要並びに本市においては今後どのように活用されるのか、お尋ねいたします。  さて、8月に報告がありました文部科学省の平成20年度全国学力・学習状況調査結果と学力を左右する要因との相関関係を調査した結果の中から、私が特に着目したことについて述べさせていただきます。その1つには、宿題をしている、前日やその日の朝、学習の準備をしているなどの学習習慣が身についている児童生徒のほうが正答率、いわゆる学力が高い傾向に見られる。2、決められた時刻に起床、就寝をしている。朝食を毎日食べ、身の回りのことを自分でしているなどの生活習慣が身についている児童生徒のほうが正答率が高い傾向が見られる。また、1日30分以上読書をしている、テレビやゲームなどの時間が少なく、家の人と学校での出来事について話をしているなどの家庭とのコミュニケーションがとれている児童生徒のほうが正答率が高い傾向が見られる。3、学校の規則や友達との約束を守るなどの規範意識や、私語をしないなどの学習規律や、物事を最後までやり遂げてうれしかったことがあるなどの自己肯定感や自尊感情などが高い児童生徒のほうが正答率が高い傾向が見られる。4、PTAや地域の人が学校の諸活動に参加してくれている学校のほうが正答率が高い傾向が見られる。以上のように、規律ある学習習慣、生活習慣や家庭内のコミュニケーション、親子関係や地域の協力体制と学力は大きな相関関係があると思われます。  そこで、本市においてはこれらの課題についてどのように考えられ、対応されているのかお尋ねします。  さて、私は、6月に理科支援員の先進的な取り組みをされている滋賀県に視察に参りました。滋賀県では、理科支援員は3つの業務内容に分かれていました。観察・実験活動の準備、実験支援、後片づけなどの補助型。補助型の内容に加え、計画立案や教材開発の支援、先端科学技術を教員へ伝達する協働型。協働型の内容に加え、教員の観察・実験技能などの向上支援をする助言型というように、それぞれに合った必要な支援員の資質や経験、資格要件がそろっており、学校の要望により配置され、教育的効果が非常に高いと評価されておりました。  また、先日、本市の小学校の理科支援員がいらっしゃる授業を参観させていただきました。その学校では、高校で物理を教えられていた退職教員の方が支援員をなさっておりました。手づくりの資料を掲示して、子どもたちの指導を生き生きとされている様子を見て、観察・実験活動の準備、実施支援、後片づけにとどまる内容では、人材としてもったいないような気がいたします。  そこで、本市における今後の活動内容の発展についてお尋ねします。また、理科支援員について、教員免許などの特別な資格はないようですし、大学生も多いと聞いております。学習支援と観察、実験の指導技術を高めるために、研修は必要かと考えますが、どのようにされているのかお尋ねします。また、この事業を推進するコーディネーターの役割などについても、あわせてお教えください。  次に、特別支援教育についてお伺いします。  先ほどの答弁からも、特別支援教育の充実を図るためには、さらに専門性の高い教員の配置が必要であると考えられます。教育職員免許法においても、特別支援学校に勤務する教員は、小学部や中学部に相当する免許状のほかに、特別支援学校の免許状を有することが原則とされています。平成18年度の資料によりますと、福岡市においては、特別支援学校に勤務する教員の特別支援学校免許状の保有率は70.1%となっておりますが、今年度の免許状の保有率はどうなっているのでしょうか、お尋ねします。また、小中学校で特別支援学級を担当する教員については、免許状の保有率はどうなっていますか、お尋ねいたします。  さらに、通常学級に在籍しているLDやADHD、高機能自閉症などの発達障がいの子どもたちへの理解や教育的支援が求められ、特に担任の先生方は日々御苦労が多いかと思われます。そこで、一般の教職員に対して発達障がいに関する啓発を行うとともに、障がいについての理解や指導力の向上を図る研修が必要であると考えておりますが、実際にどのように取り組みをされているのかお尋ねいたします。  次に、こども総合相談センター機能強化事業の一時保護所の機能について先ほどお伺いいたしましたが、それぞれの事情が違う子どもを保護し、ケアをしていることで、大変御苦労が多いかと考えますが、職員の配置はどのような職種の方が何人配置されているのか、また、本市における児童福祉司の職務内容や配置状況、1人当たりの児童福祉司が抱えている人数をお尋ねします。  次に、一時保護所退所者の状況についてお伺いいたします。  親元へ帰宅する子どもたちが多いようですが、その後の家庭支援などについてどのようにされているのか。また、どんな課題があるのかお教えください。  子どもの個に合った児童福祉施設への受け入れ先として、養護施設や児童自立支援施設は福岡市内や近郊にあるようですが、軽度の情緒障がいや発達障がいを有する子どもを短期入所させ、心理療法や生活指導、学習指導を行う情緒障がい児短期治療施設については福岡市内に設置されていないようですが、どのようにされているのかお尋ねします。  また、そのほか子どもによっては、一般家庭の中でしっかりと愛情を注いでいただく里親制度や少人数の児童を家庭的な雰囲気の中で養育していく里親ファミリーグループホームなどがあります。私も先日、里親ファミリーグループホームで直接お話をお伺いし、子どもたちの様子も見させていただきました。自分の子どもでも子育ては大変なのに、家にいて楽しい、また、子どもたちが自分の居場所を持てるようにと心がけておられ、毎日大変だと思いながらも、自分を表現できるようになったり、明るくなった子どもたちを見て、里親になってよかったと思われている話などをお聞きして、本当にありがたいことだなと思ったところです。そこで、現在の里親登録数や委託数などの実態についてお尋ねします。  以上で2問目の質問を終わります。 9 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 10 ◯教育長(山田裕嗣) 初めに、新たに措置されました非常勤講師についてでございますけれども、県の福岡学力アップ推進事業の一環として、県下における学力向上の取り組みの充実のため、週当たり12時間以内の勤務の非常勤講師が配置されるもので、本市には今年度49人分の配当があっております。本市といたしましては、小学校における専科指導や小中学校での少人数指導など、きめ細かな学習指導に活用することとしております。  次に、規律ある学習習慣や基本的生活習慣等の課題についての対応ですが、本市においては、基本的生活習慣の定着を図り、家庭内のコミュニケーションや親子の触れ合いを深めるために家庭教育支援パンフレットを作成し、すべての小中学校の教職員と保護者に配布して、各学校で研修を深める機会をふやすなど、日常生活の中で学力向上を図る取り組みを進めております。8月には、小中特別支援学校の教職員を対象に家庭教育支援パンフレットの活用に関する研修会を開催し、取り組みの充実に努めております。また、全教職員に配布した授業改善の手引の活用を通して、すべての小中学校で規律ある学習習慣を高める取り組みを行うようにするとともに、保護者や地域の協力体制のもと、学校全体で計画的、継続的な学力向上の取り組みが推進できるように努めております。  次に、理科支援員の配置につきましては、平成19年度は配置校13校支援員25人、平成20年度は18校34人となっております。本市においては、現在、理科支援員は観察、実験の補助を中心に展開をいたしております。今後につきましては、これまでの状況や成果を検証しながら配置方法等を検討してまいりたいと考えております。  理科支援員の研修につきましては、大変重要であり、年に4回、計10時間実施するようにいたしております。研修会においては、理科教育に関する専門性を身につけた市内小学校の校長や教員を講師として、観察実験の実技や薬品の取り扱い方などの研修を行っております。  理科支援員等配置事業におけるコーディネーターの役割ですが、大学等の専門機関において理科支援員と特別講師の人材発掘を行うとともに、配置校での取り組みの状況を視察して指導助言を行っております。また、理科支援員研修会を実施するなど、事業全体の推進を図っております。  次に、平成20年度における教員の特別支援学校教諭免許状の保有率についてでございますが、特別支援学校に勤務する教員が84.1%、小中学校の特別支援学級の担当教員が58.9%となっております。今後とも、特別支援教育における指導力や専門性の向上を図るため、本市独自に免許状認定講習を行うなど、計画的な免許状の保有率向上に努めてまいります。  小中学校における一般の教職員への発達障がいに関する啓発につきましては、特別支援教育リーフレットや校内支援マニュアルを作成して各学校に配布するなど、積極的な啓発に努めております。また、障がいの理解や指導力の向上を図る研修につきましては、発達教育センター指導主事や特別支援学校教諭などが小中学校に講師として出向き校内研修を行うとともに、発達教育センターにおける発達障がい関連の専門研修講座を受講させるなど、校外研修の充実にも努めております。以上でございます。 11 ◯議長(川口 浩) 大場こども未来局長。 12 ◯こども未来局長(大場美徳) まず、職員の配置状況でございますが、こども総合相談センターにおきましては、児童福祉司22名、児童心理司7名、児童指導員4名、保育士7名などを配置しております。  児童福祉司の職務内容につきましては、保護者などから相談を受け、必要な調査や社会診断を行い、児童心理司などと連携して子どもや保護者、関係者などに必要な支援、指導や環境調整を行っております。児童福祉司1人当たりが抱えている人数は、おおむね70名でございます。  一時保護所退所後の家庭支援につきましては、定期的通所により児童福祉司と児童心理司による保護者や子どもへの面接を行い、親子の支援や関係調整を行います。課題でございますが、改善意欲が乏しい保護者への支援が中断することが課題であり、関係機関と連携しながら見守りや家庭訪問などの支援を行っております。  また、情緒障がいや発達障がいがあり、治療的ケアが必要な子どもがふえておりますが、福岡市は県立情緒障害児短期治療施設筑後いずみ園に7名の定員枠しかないことから、熊本県や長崎県など他県にも入所をお願いしているところでございます。  里親に登録していただいている方の人数及び委託人数につきましては、平成20年9月1日現在で、登録世帯数78世帯のうち里子委託世帯41世帯でございます。委託されている里子の数は71名でございます。以上でございます。 13 ◯議長(川口 浩) 三角公仁隆議員。 14 ◯17番(三角公仁隆) さて、9月10日の新聞等に掲載されましたが、世界から見ても日本の教育予算は最低という報告があり、大変残念に思いました。未来を担う子どもたちを育てていくためにも、教育は大切だと考えます。私は、ある研修会で講師の方が明治5年に学制が制定された経緯について話され、大変興味深く聞きました。明治6年文部省制定の「小学生徒心得」の中からここで一部紹介いたしますと、「第1条、毎朝早く起き顔と手を洗い、口をすすぎ、髪をとかし、父母に礼を述べ、朝食時終われば筆、紙、書物などをとりそろえおき、とり落としなきよういたすべし。ただし出ずる時と帰りたるときには必ず父母へあいさつをなすべし。第2条、毎日来校は授業時限10分前たるべし。第3条、校に入り席に着かんとする時教師に礼をいたすべし。」など、現代で言うと当たり前のことが書かれています。そもそも、当時家庭においては時計などもなく、規律や学習などを含めた教育力は非常に低く、学校に教育を任せてくださいという発想から日本の義務教育が始まったということです。  現在、問題になっている親の資質や育てる能力、豊かな人間性はどこで養われていくのでしょうか。人間を育てる一番大切な場所は、やはり学校での教育が基本であり、学校は地域や家庭との協力や連携をしながら、今後は特に日常での指導のほか、道徳教育や自分の命を守る食育を含む健康教育の充実を図ることが大切な課題だと考えます。特に道徳教育では望ましい人間関係の形成や社会生活上のルールの習得、規範意識や倫理観を育成する道徳教育の実践が着実に積み重ねられていけば、豊かな人間性を身につけ、自他ともに大切にすることができ、また、そうした安定した状況が学力にもよい影響を与えると考えます。  さて、学力向上、特別支援教育についてですが、私は、これまでも申しましたように、近年、子どもを取り巻く環境の変化により、学力や心の問題、基本的生活習慣の基盤となる家庭教育力の低下など、子どもにかかわる問題は深刻化しており、多種多様な子どもたちの個別の支援とともに、教育、福祉の分野で課題があると考えております。まず、学力パワーアップ推進事業についての非常勤講師の活用については、週12時間という枠であれば、講師の方の収入も低く、応募が少ないのではないかと考えます。柔軟な勤務形態や工夫により、県に対して早急に申請していただきたいと要望いたします。また、モデル校や研究指定校についてはもちろんですが、課題の多い学校や厳しい状況の子どもが多い学校にこそ手厚い支援や研究が必要であり、学校格差などもないことが義務教育の基本であると考えております。今行われている各学校での課題に合った向上プランだけでなく、今回の非常勤講師の導入については、特に学習支援が多く求められている学校に人的配置をお願いしたいと思っております。  また、理科支援員についてですが、先ほどの答弁にもありましたように、20年度から配置された専科教員の担当教科の6割が理科であることなども踏まえると、補助型支援だけに限らず、内容の充実を図られ、各学校のニーズに合った支援内容の配置ができるように要望しておきます。  次に、特別支援教育については、すばらしい支援体制ができていると思います。さらに確立するためにも、教育環境の整備の充実、学校現場における人的な整備が必要だと考えます。特に各学校で任命されている特別支援教育コーディネーターは、大切な要でありながらも、担任の仕事と兼務されている方がほとんどです。今後、特別支援教育の充実と推進を図るためには、専任で取り組んでいただける特別支援教育コーディネーターの必要性があり、そのような人的配置を要望いたします。  さらに、特別支援教育支援員は、最も支援が必要な発達障がいの子どもたちにかかわりを持っていただいています。障がいについての理解や子どもがなじむまでに時間がかかることなどから、現在のように2カ月勤務した後に1カ月休まないといけないような勤務形態だと、継続した支援ができにくいかと考えます。また、マンツーマンの支援が原則となっていますが、支援が必要な児童生徒が複数いる場合は、学校の状況に応じて支援できるようにお願いいたします。今後は、本市における小中学校全体の半数程度の高い希望がありながら、3割ほどの配置になっているため、配置人数の増員や勤務形態の見直し、また、他県などの取り組みのような有資格者に支援していただく方向性についても検討し、内容の充実を図られることを要望いたします。  特別支援教育については、平成19年度から実施されておりますが、現在の実態から考えますと、早急に教育環境整備の必要性があると考えます。予算の増額などを要望し、教育長の所見をお伺いいたします。  最後に、こども総合相談センターの一時保護所においては、とても厳しい家庭環境の子どもたちの支援をしていただいております。私も改めて子どもたちの大変な現状に心が傷み、家庭環境の大切さを感じているところです。どの子どもも夢や希望を持ち、幸せに生きていく権利があり、私たち大人はそれを保障していく責務があると考えております。そこで、特に児童福祉司の職務については、子どもや家庭とのよい関係づくりも大切で、長い年月にわたってかかわりを持つケースも少なくないようなので、その専門性が発揮できる人材の配置をお願いしたいと思っております。また、児童福祉司が抱える子どもの人数もふえていることや、一時保護所における発達障がいの子どもたちも割合的に多く、1人1人の課題や支援目標に沿って、個別のケアが今後も求められていくと考えられます。  そこで、よりよい支援が継続的に行われるために、適材適所に向けた環境整備に努める一方、発達障がいや虐待などに対して心的治療をより適切に対応できる施設などの受け皿についての検討や、里親制度推進事業の充実を含む福祉についての分野にも、予算を初めとする資源の重点配分を行っていく必要があると私は考えます。最後に市長のお考えをお尋ねいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。 15 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 16 ◯教育長(山田裕嗣) 特別支援教育の予算についてのお尋ねでございますが、特別支援学校に通う児童生徒を初め、小中学校に在籍している発達障がいなどの特別な支援を必要とする児童生徒に対して、個に応じた適切な教育を行うため、所要の教育環境を整備していくことが必要であると認識しております。これまでも屋形原特別支援学校の再整備やLD、ADHDなどの障がいを持つ児童のための通級指導教室の新設、小中学校における特別支援教育支援員の配置など、特別支援教育の環境整備に努めてきたところでございます。今後とも、限られた予算の重点的な配分や効果的な活用を図りながら、障がいのある児童生徒が自立して充実した社会生活を送ることを目指して、教育環境の充実に努めてまいります。以上でございます。 17 ◯議長(川口 浩) 吉田市長。 18 ◯市長(吉田 宏) 議員が今質問された両方にかかわると思いますが、私も小学校にお尋ねするケースも最近多いんですけど、おっしゃるように、発達障がい、それから学習障がいという子どもたちのお話をやっぱりよく聞きます。文科省の調査では6%と、確かにそれぐらいいるのかなというふうな、私も行って教室を見てもそういうふうに感じることがありまして、大変教育現場では大きな問題だというふうに認識しています。  そのような子どもたちがどうしてふえているかということは、またさまざま原因があると思いますけれども、1つには、非常に厳しい家庭環境の子どもについての対応をどうするかというお尋ねだと思いますが、その点につきましては、児童福祉司を初めとしました職員の資質の向上が大事だということは全く同じ認識でありまして、計画的なプログラムによって専門性を図ってきました。平成21年度からは、新たに専門職として福祉職の採用を開始するなど、一層の専門性の向上に努めてまいります。  また、発達障がいがある子どもたちの受け皿で御指摘の情緒障がい児短期治療施設でございますね。福岡市にはその施設がなくて、筑後市であるとか熊本県であるとか、よその自治体にお世話になっていると。すべての施設が福岡市になければいけないということではないと思いますけれども、しかし、これだけ多くの福岡市の子どもたちがお世話になっているということを考えると、軽々には申せませんけれども、そういった施設の充実というのは、非常に急がれるのではないかというふうに、私はそういうふうには考えてはおります。  また、里親ファミリーグループホームでありますとか、児童養護施設での小規模ケアの推進もこれからやっていきますし、より適切なケア、発達支援ができるような受け皿施設、受け皿の確保ということには今後力を入れてまいりたいと考えております。 19 ◯議長(川口 浩) 稲員大三郎議員。 20 ◯27番(稲員大三郎)登壇 皆さん、おはようございます。私が稲員でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  私は自由民主党福岡市議団を代表して、新病院構想、地震を踏まえた災害対策、福岡城跡の整備について質問をいたします。  新病院創設に当たり、病院用地取得関連につきましては、我が党の光安会長より議案質疑を行いましたので、私は一般質問として視点を変え、さきに発表された新病院構想案についてお尋ねし、市民のための将来の新病院のあり方について議論していきたいと思います。  それでは、市長がさきに発表した新病院基本構想案について質問いたします。  さきの我が会派の会長による議案質疑でも質問したように、財政負担を縮小するという市長公約に基づき、こども病院だけを単独で移転し、市民病院を現地にそのまま残すということは、結果的に2つの病院が残るということであり、何も財政負担が縮小することにはなりません。なぜ市長は市民病院のあり方を見直すことを先送りして、経営改善が不十分な場合や施設老朽化の時期には改めて検討するとしたのでしょうか。たしか病院事業運営審議会の専門部会でも、市民病院は地域医療としての役割より市の政策医療としての役割のために残すという意見があったと聞いておりますが、いつの間にか博多区、東区、粕屋地区の地域の病院として残すような答申となってしまったような気がします。この点だけは、病院事業運営審議会の答申で少し疑問な点であります。仮に、博多区と東区のための地域病院、ましてや粕屋地区の病院ということであれば、当然に他の区にも必要ではないかという素朴な疑問が生じるのです。市民の中で、こども病院の移転に関するいろいろな御意見と同じ疑問ではないかと思います。市長が各区に病院をおつくりになるというなら何も矛盾は生じませんが、市民病院を残す決定をしながら、一方でこども病院を現地に残してほしいという方々の意見を無視されるということはいかがなものでしょうか。私は各区に病院をつくりなさいと言っているわけではなく、市民の生命を守るために何が必要かを論議しているときに、市長が単に問題を先送りしているということに対して強い懸念を覚えます。財政赤字による本市の危機を食いとめたいとする市長の気持ちはわかりますが、市民がいなければ福岡市は成立しないのです。つまり、福岡市がある前に市民が存在するのです。市民の生命や安全が先であり、それを守ることができなければ、福岡市は存在しないのです。  少し極端なお話をしましたが、そういった気概でこの問題に取り組んでほしいと思っているからです。たしか私の記憶では、平成14年の答申で経営効率などの面からも2病院を統合して移転することが望ましいという基本的な考え方に基づいて、平成17年の新病院基本構想があり、それを実施するための予算について議会でも議決したと記憶しております。  そこでお尋ねしますが、平成14年に病院事業運営審議会から、一貫した医療提供のため、こども病院と市民病院を一体的に整備すべきという趣旨の答申が出されておりますが、現在その答申の内容をどのように受けとめておられるのかお尋ねをいたします。  次に、こども病院における成育医療については、市長より、これから検討する旨の答弁がありましたので、今後の課題を指摘しておきます。  成育医療については、平成20年の病院事業運営審議会の答申では、いまだにモデル的な事業の段階にとどまっているため、新病院計画の中で具体化することは困難としながらも、先天性疾患を持って生まれた子どもに対して、成人期段階に至るまで継続的に医療を提供していく成育医療の概念は重要であるとされています。また、さきの第2委員会での視察で宮城県立こども病院を視察しましたが、同病院の基本方針の第1番目に「チーム医療、成育医療を実践し、良質であたたかい医療を行います。」とあります。ほかに、東京の国立成育医療センターにおいても成育医療が提供されています。以上のことから、今後の検討ではなく、早急に進めていくべきだと指摘しておきます。  次に、感染症医療についてお尋ねします。  感染症病床に関して、県や他の高次医療機関との連携状況はどのようになっているのか、お尋ねします。  流行間近と言われる新型インフルエンザは、確かに水際で食いとめる作戦がいいとは思いますが、どこかの都市で一度発生すれば、瞬く間に全国に広がり、患者が大量発生すると言われており、本市においても、市民の25%が感染した場合、約1,600人が死亡すると言われております。今県と協議している感染症指定医療機関の返上や他の高次医療機関へのお願いは、何か責任の押しつけ合いをしているようにしか見えません。協議が調わず、本市が感染症指定医療機関を続けなければならなくなった場合に、新型インフルエンザなどが発生した際は、本市の対応や県や高次医療機関との連携などは十分にとれるのでしょうか。私が調べた資料では、全国で感染症病床を有している病院は、400床以上の病院が9割という統計があります。つまり、大量発生する新型インフルエンザなどへの対応は病院全体で行うことになるから、200床前後の内科の医師1名程度のこども病院では対応はできないのではないかと心配をいたしております。そこで、感染症病床の県との協議がまとまらなかった場合はどうするのか、お尋ねをいたします。  次に、病院職員のタクシー利用についてお尋ねします。  交代制の勤務や緊急の呼び出しがあることから、深夜などにタクシーを利用することがあると聞いていますが、年間のタクシー代は幾らかお尋ねします。  次に、地震を踏まえた本市の災害対策についてお伺いします。  平成17年3月に発生した福岡県西方沖地震は、本市観測史上最大の地震であり、九州北部を中心として大きな被害をもたらしたことは、まだ記憶に新しいことです。この地震からはや3年半が経過し、国、県の各機関、市民の皆様、企業や団体、ボランティアなど、市内外の方から多くの御支援、御協力をいただき、市民生活も落ちつきを取り戻したように感じられます。また、この地震により被害を受けました公共施設につきましても、一部の施設を除き復旧もほぼ完了したと聞いております。この地震による被害が集中した玄界島においては、国、県、市など各機関の支援のもとに住民の皆様が一体となって島の復興に全力で取り組まれ、本年3月の小規模住宅地区改良事業の完了により、全島民の方の帰島が終了し、また、本年度に建設工事を進めている小中学校本校舎が来年の4月には開校する予定であり、着実に復興への道を歩んでおりますことは、まことに喜ばしい限りでございます。また、本市においても、地震発生後、市役所本庁舎に福岡市地震災害復旧・復興本部を、また、玄界島に玄界島復興事務所を設置し、震災の復旧、復興に全庁一丸となり、全力で取り組んでこられたことに対して敬意を表したいと思います。  ただいま申し上げましたように、本市において、震災に対する復旧、復興の取り組みは順調に進められておりますが、これからは本市をより安全、安心なまちとして推進していくための方策が大変重要となってくると考えます。本市には活断層である警固断層帯が本市域の中心を通っており、平成19年3月の文部科学省地震調査研究推進本部の警固断層帯の長期評価や同年6月の福岡県の警固断層帯を震源とした地震の被害想定によると、想定される地震の規模、被害とも、これまでの想定と比較しても非常に増大しております。また、警固断層帯が動いた場合は、福岡県西方沖地震の被害と比べものにならないくらいの人的被害や住家被害などが発生すると想定されており、地震が発生する確率もこれまでの想定に比べ大きく上昇しており、十分な備えが必要とされています。3年前の福岡県西方沖地震の直後には、コンビニエンスストアでは、飲料水やおにぎり、弁当などがすぐに空になったという状況からも、災害時における飲料水や食料の確保は大変重要なことと考えます。この災害時における飲料水や食料の確保については、自治体による公的備蓄や自治体と民間企業との間で締結される災害時応援協定による方法がありますが、本市では、平成17年度から避難所となる公民館に地震などの大規模災害に備えた備蓄をしていると伺っております。また、民間企業との災害時の応援協定については、3年前の福岡県西方沖地震発生当時は、本市では締結していなかったように記憶しております。  そこで、まず本市における水や食料などの現在の備蓄状況についてお伺いいたします。また、あわせて災害時の民間企業との応援協定について、現在の状況とその内容についてお伺いします。  次に、福岡城跡の整備についてお伺いします。  福岡城の復元整備については、教育委員会のほうで平成17年に策定した福岡城跡保存整備基本構想に沿って事業が推進されていることと存じます。これに関しては、昨年12月の定例議会の際にも私のほうから質問をいたしましたが、いわばその第1弾として現在行われております下の橋大手門の復元工事がこの秋に完成する予定と伺っております。その進捗状況はどうなっているのか、いつごろに完成するのかお尋ねいたします。  また、昨年9月の棟上げの際には、もちまきのイベントが行われ、私たちも参加させていただきましたが、今回の完成に当たっても、何らかの式典や関連イベント等を行う予定があるのでしょうか。あわせてお伺いします。その際、陽流抱え大筒の実演や、張りぼての天守閣による一夜城の制作などを行ったら面白いと思いますが、どうでしょうか。  ところで、下の橋大手門は平成12年に不審火によって焼失しておりますが、二度とこのようなことが起こらないよう、竣工後には再度の出火を防ぐためにライトアップや防災措置を講じる必要があると考えますが、これらについての計画はどのようなものでしょうか、お伺いいたします。  以上で1問目を終わります。2問目からは自席にて行わせていただきます。ありがとうございました。 21 ◯議長(川口 浩) 阿部保健福祉局長。 22 ◯保健福祉局長(阿部 亨) 新病院基本構想案に関する御質問にお答えをいたします。  まず、平成14年に福岡市病院事業運営審議会からいただきました答申につきましては、市立病院のあり方に関して専門的な見地からの御意見をいただいたものでございまして、重く重く受けとめているところでございます。平成14年にいただいた答申の趣旨を踏まえまして、平成17年度に市立病院の統合移転を内容とする新病院基本構想を策定したところでございますが、平成19年に検証・検討を行った結果、その後の医療環境の変化や本市の厳しい財政状況により、そのまま実施すべき環境にないという結論に至ったものでございます。
     次に、第1種、第2種感染症指定医療機関につきましては、他の高次医療機関に担っていただく方向で福岡県等と協議を行っているところでございます。感染症医療に関する今回の答申につきましては、感染症の現況から考えると、こども病院では対応することが困難であることから、高次医療機関である大学病院や国立病院で担うことが望ましいとされたものでございます。この趣旨は、県や関係者にも十分理解いただいているところでありますので、指定医療機関については、適切な医療機関で担っていただけるよう引き続き協議を行ってまいります。なお、新型インフルエンザが発生した場合の医療体制の確保につきましても、あわせて協議を行ってまいります。  最後に、病院職員のタクシー利用に係る自動車借上料につきましては、平成19年度の実績で申し上げますと、こども病院が約2,500万円、市民病院が約1,500万円で、合計で約4,000万円となってございます。なお、この金額には、深夜だけでなく日中の移動という場合のものも含まれているところでございます。以上でございます。 23 ◯議長(川口 浩) 陶山市民局長。 24 ◯市民局長(陶山博道) 地震を踏まえた災害対策に関してでございますが、本市における水や食料などの備蓄につきましては、地震などの大規模、広域的な災害を考慮し、効率的な備蓄を進めていくこととしております。市内すべての公民館に水とパンの缶詰を3万4,750食備蓄することにいたしております。また、食料以外の備蓄といたしましては、博多区呉服町にある防災倉庫に毛布を約2,600枚備蓄いたしております。  次に、災害時の民間企業との応援協定につきましては、本年8月末現在におきまして、イオン九州株式会社、マックスバリュ九州株式会社、株式会社ダイエー、ホームセンターグッディ、福岡県生活協同組合連合会と締結いたしております。なお、協定の内容につきましては、福岡市域内において地震などの大規模災害が発生した場合に、食料、日用品、衣料品などの生活物資を本市に優先的に供給していただくというものでございます。以上でございます。 25 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 26 ◯教育長(山田裕嗣) 福岡城についての御質問でございますが、下の橋大手門の復元工事につきましては、現在、門本体はほぼ完成しており、周囲の構造物の工事を行っておりますが、10月中にはすべての工事が完了する予定となっております。完成を祝し、11月初めにNPO法人福岡城市民の会の協力をいただいて、開通式や通り抜け行事を行う予定としております。また、関連行事として、12月初めに石割り体験などの参加型イベントを行って、福岡城を市民にアピールしたいと考えております。なお、お話のありました福岡藩砲術陽流抱え大筒の実演は、開通式の後に城内西側広場で行う予定としております。また、一夜城としての天守閣は、現在のところ根拠となる資料がございませんので、制作が困難な状況にあります。  次に、下の橋大手門の防災措置についてでございますが、再度の焼損を防止するために、新たに15灯の照明灯を新設し、合計27灯でライトアップを行うとともに、緊急時の対応として、自動火災報知設備1カ所、監視カメラ2カ所、消火栓3カ所を新設するほか、建物の木部には燃えにくい薬剤を塗り、延焼予防の措置をとります。あわせて落書き防止の薬剤を塗ったほか、説明板を新設してまいります。以上でございます。 27 ◯議長(川口 浩) 稲員大三郎議員。 28 ◯27番(稲員大三郎) 2問目に入ります。  そもそも公立病院の役割は、国が定めた平成19年公立病院改革ガイドラインでは、民間医療機関では提供が困難な医療を提供することにあるとされており、具体的には、過疎地、救急等不採算部門、高度先進などが例示されております。また、平成14年の病院事業運営審議会からの答申では、行政の役割として担うべき医療分野に政策的に取り組むことが市立病院の役割とされ、平成20年の専門部会でも、市で政策的な医療は確保しておくべきとされたところです。このようなことから、我々は自治体の責務として本市が担うべき医療機能は、子どもの医療機能を中心に、高度先進医療に特化した大人の医療機能をあわせ持つものとして、子どもから高齢者まですべての人が生涯を通じて安心して暮らせるよう、医療を通じて広く市民全体に貢献すべきものであると考えています。  平成14年の答申の根幹とも言える大事な基本的な事項は、平成19年の公立病院改革ガイドラインでも、また、平成20年の専門部会でも言われていることであり、小さな社会情勢の変化で変わってはおりません。それでも大きな状況の変化があったと言うならば、その基本事項について諮問を再度行い、審議会に意見を求めるべきであります。しかし、2病院を一体的に整備すべきとされたことについては、平成20年の答申では一言も触れられておりません。そればかりか、市長は今回の諮問に際して、本市が新たに病院を整備する場合は、小児・周産期医療及び感染症医療に機能を特化すべきとの方向性をまとめたので、ついては、このような検討の経緯を踏まえて諮問するので答申してほしいという趣旨の説明をしておられます。しかし、これでは行政側が一方的に単独移転に方向性を決めてから行った結論ありきの諮問でしかなく、公正な審議会が行われるどころか、平成14年の答申がねじ曲げられたことは明白です。このような市長の行為は、審議会の役割を軽視する確信的なものと言わざるを得ません。  そこでお尋ねしますが、平成14年の答申では、こども病院と市民病院を統合して移転整備すべきとされていましたが、そのことについて諮問しなかった理由は何か、お尋ねをいたします。  次に、財政上、医療上のメリットについてお尋ねします。  総務省がまとめた地方公営企業年鑑によりますと、ベッド数は200床より400床のほうが効率がいいという結果が出ております。平成18年度の地方公営企業年鑑を分析したところ、病床規模別の医療収支比率で、200床以上300床では85.7%、一方、400床から500床では91%と、明らかに200床では採算が悪くなっております。理由はいろいろとあるでしょうが、スケールメリットの効果が大きいと思います。市長案の地方独立行政法人による病院経営の改善を図る場合でも、市民病院と別々でなく、あわせたほうがさらにスケールメリットを生かすことができ、効果的だと思います。  また、指摘しているように、医師の確保についても、先日、福島県立病院における帝王切開時の医療事故に関して無罪判決が出されましたが、産科における医療事故がふえる中、国においても健康保健法に補償制度を加える改正が予定されるなど、対応が進んでおります。しかし、補償よりも子どもと母親の命を助けることが先決であり、新病院が子どもだけを対象とするのであれば、同じような事故が起こるのではないかと危惧をいたしております。リスクの高い分娩に関して、母体保護ができるのであれば、リスクを減らすことができるし、産科医も安心できるのではないでしょうか。医療の専門家からも、新病院が全国から難度の高い医療を必要とする子どもを受け入れる病院になれば、そのリスクの高い子どもの出産に際しては、当然に母体のリスクも高まるため、外科等の必要性が指摘されているところでございます。子どもだけでなく、もう少し大人の機能を取り入れれば解決できる問題があることに市長は気づきませんでしょうか。  そのほかに、医師の確保でも、子ども部門と大人部門の豊富な医療スタッフによる継続的な質の高い人材育成が可能となり、さらには医療スタッフの効率的な再配分、再配置や高価な各種医療機器、検査機器についても共有化が可能になるなど、経営面や運営面の多くで効率性が発揮でき、効果的、効率的な事業ができるのです。  次に、病院全体のタクシー代として年間4,000万円かかるということでございますが、これは10年間では4億円ということです。また、職員用と業務用の駐車場として100台から150台前後を確保するとのことですが、最近整備された小児専門病院の平均では職員数は約570人であり、職員用の駐車台数は約185台となっております。以上のことから、職員用として将来、もう少し駐車スペースを確保したほうがいいと思いますが、そのような計画は構想案にあるのでしょうか、お尋ねします。  次に、地震を踏まえた本市の災害対策についてお伺いいたします。  ただいまの答弁によりますと、公的備蓄としては、水や食料を市内すべての公民館に、また、民間業者との災害時応援協定としては、現在イオン九州株式会社や株式会社ダイエー、福岡県生活協同組合連合会等と締結しているとのことです。水や食料を自治体で備蓄することは、水や食料を確保するための有効な手段とは言えますが、備蓄をするためには多くの経費がかかることからも、いつ起こるかわからない地震への対策としては、余り効率的であるとは言えません。その一方、民間企業との応援協定につきましては、民間企業はふだんから店舗や倉庫等に備えている物資を災害時に活用することであり、経費の面からも大変有効な対策であると思われます。今後とも、災害時において食料、日用品等の確保について迅速な対応が図られますよう、民間企業との災害時応援協定の締結を推進していただきますようお願いをいたしておきます。  次に、地震などの大規模災害の発生時には、電気、ガス、水道等のライフライン施設にも多くの被害が発生すると予測されますが、これらのライフラインが被害を受けた場合は、復旧するまで長期間を要することとなり、市民生活に大きな影響を及ぼします。特に水道水は、飲料水としての利用やトイレ、ふろなど生活用水としての利用など、市民が生活するためには必要不可欠なものであります。私の家では、日ごろから水道水以外に井戸水を生活用水として利用しておりますが、福岡市内においても、多くの家庭で井戸水をお使いになっているのではないかと思います。このような井戸水は、地震などの大規模災害発生時において、水道が断水した場合に、水道水のかわりに利用できるものと考えます。  そこで、地震などの大規模災害発生時における水道断水時の井戸水の活用について、どのようにに考えているのか、本市の所見をお伺いいたします。  次に、福岡城跡の整備についてお伺いします。  私は、先日復元なった熊本城本丸御殿のパネルを持ってまいりました。津田議員に協力していただいております。(パネルを示す)皆さん見てわかりますように、壮麗華美なつくりに私も感激いたしております。熊本城は天守閣も立派ですけれども、こういう本丸御殿の復元をいたしました。おかげで観光客がどんどんふえているというふうにお聞きしております。  さて、福岡城の復元整備に関して、昨年12月議会で私が行った質問では、天守閣を復元することにより、本市への観光客誘致を図るという市民の意見や、復元への取り組みについて市はどう考えているのか、あるいは実現可能とされる武具櫓などの復元から取り組むべきではないのかという問いについて、教育長より福岡城の天守閣の復元は資料がなく、現在のところ困難であるが、部材の残る潮見櫓、花見櫓の整備を先行し、復元要件に不足する部分が見られる武具櫓や本丸御殿については資料の収集に努めてまいりたいという回答をいただいております。  そこで、天守閣は資料不足であることからひとまず置くといたしまして、復元の可能性の高い本丸御殿、武具櫓について、(パネルを示す)これが皆さん、武具櫓ですね。写真があるんですね、武具櫓。写真があれば、かなり復元可能となってくるんですよ。これは武具櫓なんですが、本丸御殿もこういうふうに写真がちゃんと残っています。こういうことは非常に復元に近づいてくるんですね。こういうパネルもありますので、さらに資料を収集していただきたいと思いますが、その後の資料収集の調査状況をお伺いいたします。  以上で2問目を終わります。 29 ◯議長(川口 浩) 阿部保健福祉局長。 30 ◯保健福祉局長(阿部 亨) 病院事業運営審議会への諮問についてのお尋ねでございますが、平成14年に病院事業運営審議会から2病院を統合して移転整備すべきという答申をいただいておりましたが、平成19年に行いました市立病院統合移転事業に関する検証・検討の結果を審議会に報告しましたところ、説明不足や専門的な審議の必要性について御意見がありましたことから、新病院基本構想をそのまま実施する環境にはないという市としての方向性を踏まえまして、改めて市立病院に関し審議会に諮問を行ったものでございます。  次に、職員用などの駐車スペースにつきましては、職員用、委託業者、来客用、救急車等の主な用途ごとに大別した上で、用途ごとに想定される利用形態に応じまして、時間帯ごとの必要台数の見込みを算定いたしております。この結果、合計で100台から150台分の整備が必要としたものでございます。今後、整備計画の詳細な検討の中で具体的に詰めてまいります。以上でございます。 31 ◯議長(川口 浩) 陶山市民局長。 32 ◯市民局長(陶山博道) 地震などの大規模災害発生時における水道断水時の井戸水の活用についてのお尋ねでございますが、井戸水を飲用水として使用するには、地震の影響による地層の変化により水質が変化することがあることから、改めて水質検査が必要となるなど、災害発生直後の飲用水としての使用は難しいと考えております。しかしながら、トイレ、ふろ、洗濯などの生活用水や消火用の水としての活用は可能であると考えておりますので、今後、その活用方策について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 33 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 34 ◯教育長(山田裕嗣) 本丸御殿、武具櫓の資料収集についてのお尋ねでございますが、復元に必要な要件のうち、指図、絵図、文献史料、古写真については残っておりますが、これに加えて、記録どおりに礎石などの遺構が残っているかどうか、発掘調査によって確認する必要がございます。文献等の古い記録につきましては、最近では春日市の陸上自衛隊福岡駐屯地に残されている福岡城関係資料の調査を行うなど、現在も継続して資料の収集に努めているところでございます。また、市民にもホームページで資料提供を呼びかけているところでございます。発掘調査につきましては、これらの古い記録の調査資料が蓄積され、かつ復元に向けて財政的な条件が整った段階で、関係部局と協議しながら実施したいと考えております。以上でございます。 35 ◯議長(川口 浩) 稲員大三郎議員。 36 ◯27番(稲員大三郎) 第3問目に入ります。  いずれにせよ、市民病院についても、あと10年で病院の耐用年数と言われている30年となり、建てかえ等が必要となります。地方独立行政法人化に2年、検証にさらに3年から5年かかると言われているようですが、最初からこども病院と統合して地方独立行政法人化したほうが効果的ではないでしょうか。市民病院が結果的に残り、2つの病院が残るという無駄を考え始めると、最後にはいつも最初から統合する方向性がよかったのではないかと思いめぐらします。  そこでお尋ねしますが、現在の市民病院を見直すことについて、市の考え方を教えてください。あわせて、結果的に2つの病院を残すことについてどのようにお考えなのかお尋ねします。  なお、つけ加えておきますが、私は単にこども病院と市民病院を統合すると言っているわけではありません。さきに述べたように、自治体として、市民のために必要な病院として、子ども、周産期、高度先進医療に特化した病院がいいと言っておるのであります。御理解をいただきたいと思います。  最後に、こども病院の移転に伴い、小児医療の西部地域における医療空洞化が生じることとなりますが、この問題についてはどうお考えなのかお尋ねして、新病院構想に関する私の質問は終わります。  次に、行政の立場からの市民に対する防災に関する普及、啓発についてお伺いします。  福岡県西方沖地震から3年以上が経過したことにより、市民の多くの方が福岡ではもう地震は起こらないだろうという意識があり、市民の中で地震の経験が風化しているのではないかと私は常々感じております。災害は忘れたころにやってくると言われておりますが、平成19年7月に発生した新潟県中越沖地震が、平成16年10月に発生した新潟県中越地震から約3年後にほぼ同じ場所を震源として発生したように、ここ福岡においても再び発生しないとは限りません。おどかすわけではないですけどね。また、本年6月に起きた岩手・宮城内陸地震では、改めて地震被害の大きさを思い知らされました。地震の経験を風化させないためには、行政が中心となり、市民の皆さんと一体となった取り組みが必要ではないでしょうか。市民の皆さんとしては、各家庭における日ごろからの取り組みとして、家具、食器類などの金具による転倒防止対策、透明フィルムや粘着テープによるガラスの飛散防止対策を行うことや、家庭用消火器の活用を図ることなどが必要となってまいります。  一方、行政の取り組みとしては、市民の意識啓発のための地域における防災訓練や出前講座などの実施、また、地震体験コーナーや展示コーナーなどを備えたメモリアル施設などの活用が必要ではないでしょうか。私が以前視察をした兵庫県淡路島にある北淡路震災記念公園の野島断層保存館では、平成7年の阪神・淡路大震災の直接の原因である断層運動の現場を保存し、後世に残したいという関係者の要望が実現し、野島断層を被災したそのままの状態で保存し展示しており、県内外から多くの方が見学に訪れております。私は野島断層保存館のようなメモリアル施設の設置について、この視察の後、本会議や委員会の席上において、その必要性について何度か質問させていただきました。その後、国においては平成18年3月に東区の海の中道海浜公園内に震災学習展示施設を設置され、また、被災地域において被災地域の方々により記念碑が設置されていますが、残念ながら、市民の皆さんには余り周知されていないというのが現状ではないでしょうか。これが今の国がつくった(パネルを示す)これは国の施設ですね。立派なものをつくっています。  そこでお尋ねいたしますが、本市においても地震の経験を風化させないためのメモリアル施設が設置されたと聞いているが、どういうものがあるのかお伺いします。  特に被害が大きかった地域には、記念碑などが身近にあることから、折に触れ地震の経験が語り継がれていくとは思いますが、それ以外の地域でも、市として防災に向けた施設をきちんと展開していかないと、どうしても災害に対する意識が希薄になっていくのではないかと心配をいたします。今後とも、福岡県西方沖地震の経験を風化させないよう、このような施設の充実や防災に関する普及啓発活動への取り組みを積極的に進めていただきますようお願いをいたします。  次に、福岡城跡の整備についてお伺いします。  史跡の整備に市民からの寄附をいただいて進める文化財基金の整備につきましては、昨年12月議会では、福岡城整備のために市民の浄財募金による財源確保に取り組む計画がありますかという私の問いかけに対して、調査研究を進めていくという回答を教育長からいただいております。この調査研究のその後の進捗状況についてお伺いいたします。  また、福岡城内に位置する鴻臚館跡については、将来の史跡整備に向けて鋭意調査中と伺っておりますが、やや進捗の状況は遅いと見受けられます。私は必要な調査予算を十分確保して、早期の全容解明を行い、整備を進めていくべきと考えますが、今後の取り組みについてお尋ねします。また、今現地にある鴻臚館跡展示館は周囲から見てもわかりにくい場所にあり、市民に対して十分な活用が図られていないように思うが、案内板などを設置する計画はあるのかお伺いをして、私の質問を終わります。 37 ◯議長(川口 浩) 阿部保健福祉局長。 38 ◯保健福祉局長(阿部 亨) こども病院の移転に伴います本市西部地区における小児2次医療の提供体制についてお答えをいたします。  この件につきましては、病院事業運営審議会答申も踏まえまして、九州医療センター及び浜の町病院に対して、小児医療体制整備の要請を行っておりますが、その結果、各機関に勤務する医師の診療担当領域の調整も含めまして、より具体的な検討を行うこととなっております。このため、現在、両病院とともに協議会を設置する準備を進めているところでございます。以上でございます。 39 ◯議長(川口 浩) 陶山市民局長。 40 ◯市民局長(陶山博道) 西方沖地震後の市内におけるメモリアル施設につきましては、先ほど議員からパネルにより御紹介がありました国土交通省九州地方整備局により設置された海の中道海浜公園内の震災学習展示施設を初めとして、被災地である玄界島や志賀島において、地元住民の方などにより記念碑が建立されております。玄界島では、記念碑のほかに崩落した神社の鳥居をそのままの状態で保存するなど、地震の経験を風化させないための取り組みが行われております。また、早良区百道浜にある福岡市民防災センターでは、福岡県西方沖地震の記録や映像を活用して、来館者にわかりやすく解説するとともに、地震体験コーナーで地震の怖さを実感していただくなど、地震の経験を風化させないための取り組みを行っております。今後とも、地震を初めとした災害に対する普及啓発について、行政と市民が一体となった積極的な取り組みを行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 41 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 42 ◯教育長(山田裕嗣) 文化財基金についてのお尋ねでございますが、熊本市の熊本城、名古屋市の名古屋城、彦根市の彦根城、長崎市の出島など、多数の事例がございます。各自治体では、お城に特定したものや地域文化財全般を対象としたものなど、実にさまざまな形で取り組んでおられます。制度的に見ますと、最近ではふるさと納税制度を活用した事例が多いようでございます。こうした基金は、市民の後押しが何より大切と考えますので、今後他都市の基金制度に関する調査を継続し、多くの方々の賛同をいただけるものとなるよう、そのあり方や活用についての研究を行ってまいります。  次に、鴻臚館の発掘調査につきましては、厳しい財政状況にはありますが、調査予算の確保に努め、着実な調査研究を行って、来るべき史跡整備に備えたいと考えます。また、御指摘の鴻臚館の案内板につきましては、西鉄が新規に立ち上げました福岡シティループバスの運行にあわせて今年度、経済振興局で誘導サインの設置が計画されておりますので、そちらとも十分連携を図ってまいります。以上でございます。 43 ◯議長(川口 浩) 吉田市長。 44 ◯市長(吉田 宏) 市民病院につきましては、病院事業運営審議会の答申を受けまして、当面は現施設を活用して経営の効率化を進めてまいります。ただ、経営改善が不十分な場合、それから施設老朽化の時期というようなことにつきましては、改めてそのあり方について検討してまいります。現在、全市を挙げて財政の健全化に取り組んでいます。取り組んでいますけれども、非常に厳しい財政状況が続いております。こども病院と市民病院におきましても、経営の効率化及び繰入金の圧縮に向けて、現在、経営改革プランの策定を進めているところであります。2つの病院がそれぞれの特性を生かしつつ、市民に対して良質かつ適切な医療を効果的、効率的に提供できますよう、平成22年度には地方独立行政法人への移行を予定しておりまして、この新しい経営形態のもとで、なお一層の経営健全化、そして、議員も御指摘のように、患者サービスの充実にしっかり取り組んでまいりたいと思います。 45 ◯議長(川口 浩) この際、暫時休憩いたします。午後は1時に再開いたします。                                         午前11時33分 休憩                                         午後1時1分 開議 46 ◯副議長(久保 浩) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。江藤博美議員。 47 ◯62番(江藤博美)登壇 御苦労さまです。午後一番睡魔に襲われる時間帯ですが、どうぞよろしくおつき合いください。(発言する者あり)眠らないように気合いを入れて質問いたしましょう。  私は民主・市民クラブを代表して、小中学校における特別支援教育推進について、新・放課後等の遊び場づくりモデル事業について、地域・住民自治システムの構築支援について、福岡シティマラソンの見直しについて質問してまいります。  まず、先ほど午前中の質問にもありましたけれども、小中学校における特別支援教育推進について、まず冒頭にお伺いをしていきたいと思います。  福岡市の特別支援教育の取り組みは、特別支援学校の拡充を中心に支援学級の増設など、その充実を図ってきました。しかし、近年は、特に障がいのある子どもを持つ保護者のみならず、ユニバーサル社会の理念から、共生による教育効果を認める教育関係者や市民の声も大きくなってきています。国が示した障害者基本法でも、また、2005年の中央教育審議会答申にもその方向性はうたわれております。そして、当議会の中で特別支援教育の推進について熱心な議論が毎回交わされています。そこで、改めて福岡市の特別支援教育の概況について、まず説明をしてください。  次に、新・放課後等の遊び場づくりモデル事業についてお伺いをします。  子どもたちがこれからの厳しい時代を乗り切っていくためにもさまざまな体験をくぐり、それぞれがしっかりと生きていく力をはぐくむため、当市では、子ども施策の取り組みを最重点事業に位置づけていると受けとめております。本市では、今年度予算で3,100万円かけて新・放課後等の遊び場づくりモデル事業が、この9月から7校で始まりました。そこで、新事業に取り組むに当たって、これまで10校の小学校で放課後の遊び場づくり事業に取り組んできた実績について、まず子どもたちの反響、指導員の感想、小学校の反応、保護者の評価について、どのような結果がまとめられているのかを説明してください。また、他都市で既に取り組まれている放課後対策の事業先進例について、当市の参考になると思われる事例を幾つか御紹介ください。  次に、地域・住民自治システムの構築支援について伺います。  福岡市が2008年、今年度中にまとめようとしているコミュニティ関連施策のあり方に関する提言、第2次提言のまとめ作業をにらみながら地域・住民自治システムの構築について、今回も幾つかの質問と議論を展開していきたいと思っています。  昨年の決算議会では、私は住民自治支援について、特に自治会や町内会等が自律経営を一層促進していくための支援についての観点から質問と提案をしてまいりました。しかし、この議論は今回の第2次提言に反映されるまでには至っておらず、まだ先の課題ということなのでしょう。何の動きもまだ見えてはいません。そこで、最初に基本的な認識について、もう一度確認しておくためにお聞きいたします。  今、福岡市の大方針に掲げられている、子ども、環境、アジアの重点政策を当市が進めていく上で地域コミュニティー、とりわけ住民自治組織との共働事業となるような政策は、例えばどのようなものが考えられるのか、私のほうで列挙してみました。子どもの分野では、地域の子育て支援、交流サロン、子どもの安全対策のスクールガード、放課後の遊び場づくり事業やさまざまな青少年育成事業が散らばっております。環境と絡んだ住民活動は、ごみ減量、再資源化推進のためのリサイクル推進事業や公園再整備・管理事業、災害への危機管理事業としての自主防災組織などの育成、維持などが上げられます。これらはいずれも施策のめり張りとしては比較的目立たない事業ですが、市民生活を営む上で居心地のよい住環境づくりには欠かせない事業です。また、言うまでもありませんが、市民生活を営む上での住に関する基本活動である、子どもから高齢者に至る福祉事業、地域スポーツ、文化活動、生活道路環境の整備事業の一切は、地域コミュニティー、住民自治活動抜きには考えられません。  そこで伺いますが、このように当市の市政を根幹で担っている地域コミュニティーの基礎自治に対する認識について、当市の中でどのように位置づけられているのかお答えください。  4問目の質問です。福岡シティマラソンの見直しについて質問いたします。  ことし2月17日に行われました東京マラソンは、3万2,000人のトップランナーから市民ランナーまで同時に都庁をスタートして、皇居前、品川、銀座、浅草、晴海ふ頭を通過して東京ビッグサイトまで42.195キロの都路で開催されました。昨年から2回目となる大会です。申込者は全国から海外も含めて15万人を超えました。東京が1つになる日とうたったイベントは、大会ボランティアだけで1万5,000人、沿道をゴール地点まで埋めたギャラリーはおよそ200万人、メディアのライブによって全国の視聴率は何と20.6%に達したそうです。完走率は9割を超え、走りやすいコースとしても参加者の評価は大変高く、実は私もインターネットで申し込みましたら、運よく5倍の難関をくぐって走ることができました。新宿の高層ビル群の中を、銀座のど真ん中を走る爽快感は都市マラソンのきわみであり、市民ランナーとしてかえがたい経験となりました。走り終えて、東京の新しい魅力を改めてかみしめたというのが実感であります。当福岡市が言うおもてなしの心は、東京マラソンでは1万5,000人のボランティアの中ににじみ出ていたように思います。私が走った5時間は、とても居心地のよいひとときでした。  一方、我が福岡シティマラソンは、ことしも11月2日に開催される予定です。参加者は例年どおり約8,000人の申し込みがあったと聞いておりますが、ランナーやギャラリーが興奮できるような仕掛けに乏しいことは否めません。参加者数については、現在の大会規模からいって遜色はないと思っていますが、いかんせん人通りの少ない長浜通りと那の津の倉庫街で距離を稼ぐコースでは、走るほうも見るほうもテンションの上がりようがありません。もちろん、これでも一生懸命に大会開催に尽力を尽くされている関係者の努力があるからこそ多くの参加者があることは申し上げるまでもありません。その努力には心から感謝するものですが、2年目とはいえ東京マラソンの仕掛けには目をみはります。主催、日本陸上競技連盟、東京都。共催、読売新聞社、日本テレビ放送網、フジテレビジョン、産経新聞社、東京新聞。後援は文部科学省、国土交通省、特別区長会、日本体育協会、日本オリンピック委員会、日本障害者スポーツ協会、日本経団連、経済同友会、日本財団、東京商工会議所、東京都医師会、東京都看護協会、東京観光財団、東京都町会連合会、東京都商店街振興組合連合会、東京都商店街連合会、東京都体育協会、東京都障害者スポーツ協会、関東身体障害者陸上競技協会、東京都体育指導委員協議会、報知新聞社、ラジオ日本、サンケイスポーツ、夕刊フジ、サンケイリビング新聞社、ニッポン放送、フジサンケイビジネスアイ、サンケイエクスプレス、扶桑社、東京中日スポーツというような、そうそうたる団体が名を連ねて大会をサポートしています。  ここに東京マラソンという本がありますけれども、この本は2007年大会開催に東京マラソンに当初からかかわった都庁職員の奮戦記でありますけれども、この奮戦記には、発想をランナーだけの大会にとどめず、見る側からも準備する側からも、すべての都民を初め、全国の市民が心からイベントを楽しめるように、サービス精神をいとうことなく発揮した結果だと、この著者である遠藤雅彦さんは語っております。私は東京の物まねをすべきとは思っておりませんが、シティマラソンのあり方をこの際、私たちの福岡、博多のまちを走ってもらうもてなしの心を込めて、基本的にそろそろ見直すときに来ているのではないかと思っております。外環状線上下4車線全線開通は、2010年か2011年には見込めます。天神から西回りで明治通りを西区小戸まで進み、外環状線を南下して早良区野芥から城南区堤、南区の花畑、野多目の西南部を通過して、博多区月隈を経由して東区東公園千代県庁回りで天神まで全長約40キロあります。そして、長浜から南へ延びる日赤通り2キロを加えたコースは、恐らく市民ランナーの気持ちに火をつけることは受け合いであります。今から2、3年の仕込みをかけて、新福岡シティマラソン基本計画のようなものを準備し、そのために、先ほどの東京マラソンメンバーの福岡・九州バージョンの関係者でプロジェクトを組み、検討作業に入るようなことを考えてよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。シティマラソンと国際マラソンの結合も検討の中に入れてもいいのではないでしょうか。聞けば、国内からの旅行者が近年福岡市には少し落ち込んでいるというふうに聞いております。ビジターズ・インダストリーは、このような地道な仕込みから始まると思いますが、市長の御所見を伺います。この質問は1問のみとしますので、前向きな回答を期待しておきたいと思います。  以上、1問目について終わりまして、2問目からは自席で行います。 48 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 49 ◯教育長(山田裕嗣) 特別支援教育の概況についてのお尋ねでございますが、本市では障がいのある児童生徒の自立と社会参加を目指し、個に応じた適切な教育を行うため、特別支援学校の整備を初め、小中学校に特別支援学級通級指導教室を順次設置するなど、教育環境の整備に努めてきたところでございます。また、すべての小中学校において校内支援委員会を設置して、特別な配慮を要する児童生徒の実態把握、個に応じた指導方法などの検討を行うとともに、養成研修を受講した教員の中から指名を受けた特別支援教育コーディネーターが中心となって、学校における特別支援教育の推進を図っております。さらに、平成20年度からは通常の学級に在籍している発達障がいなどの特別な支援を必要とする児童生徒に対し、緊急度に応じて特別支援教育支援員を配置するなど、1人1人の教育的ニーズに対応した特別支援教育の推進に努めております。以上でございます。 50 ◯副議長(久保 浩) 大場こども未来局長。 51 ◯こども未来局長(大場美徳) 現行の放課後の遊び場づくり事業に対する子どもたちの反響などについてでございますが、これまでに行いました関係者からの聞き取りなどによるものでお答えさせていただきます。  まず、子どもたちからは、外でみんなと遊べるのが楽しい、違うクラスの友達もできるので楽しいといった声が上がっております。運営スタッフからは、大勢で一緒に遊べるのがいい、子どもたちに縦の関係を経験させることが大事といった感想がございます。小学校長からは、子どもたちは有意義な時間を過ごしており、ストレス発散にもなっている、子ども同士のかかわりが深くなっているという評価をいただいております。見守りサポーターとして参加されている保護者の方からは、ほかに自由に遊べる安全な場所が少ないのでこの事業は大変ありがたい、別のクラスや学年の子どもと遊ぶなど交遊範囲が広がったといった評価をいただいております。また一方では、高学年の子も参加できるような事業内容になっていない、体育館や余裕教室など屋内施設の確保が難しい、保護者、地域のボランティア参加がなかなかふえない、管理責任や保険の適用についての考え方を整理すべきといった御意見もいただいてございます。今後、新・放課後等の遊び場づくりモデル事業に取り組む中においても、より一層、保護者や地域などの意向、ニーズの把握に努め、事業の検証・検討に生かしてまいりたいと考えてございます。  続きまして、本市の参考となる他都市の先進事例についてのお尋ねでございますが、その都市ごとに置かれた状況が異なりますので、他都市の事例につきましては、それぞれのよい点を参考にしていきたいと考えてございます。まず、新・放課後等の遊び場づくりモデル事業の実施に当たりましては、実施場所の確保と推進体制の充実、さらには、遊びや活動内容の充実などを課題としまして検証・検討を行ってまいります。この観点から、都市の状況や財政規模が比較的似通っている政令市の事例としまして、名古屋市のトワイライトスクール事業や大阪市の児童いきいき放課後事業が参考になると存じます。いずれの事業におきましても、平日の放課後及び土曜日や長期休業中の日中の時間帯において、専用の教室を確保し、複数の専任スタッフを配置するとともに、地域とも連携しながら、自由遊びのほか、体験、交流活動、スポーツ文化活動、学習サポートなどの多様な活動を全児童を対象に行っており、参考になるものと考えてございます。以上でございます。 52 ◯副議長(久保 浩) 陶山市民局長。 53 ◯市民局長(陶山博道) 地域・住民自治システムについてのお尋ねでございますが、地域コミュニティーに関する本市施策での基本的な位置づけといたしましては、平成15年策定の福岡市新・基本計画において地域コミュニティーなど、さまざまな主体と行政との共働によるまちづくりを進めることとしており、これに基づき平成16年度以降、自治協議会制度を中心とする施策を推進しているところでございます。さらに、本年6月策定の福岡市2011グランドデザインの政策推進プランにおきましても、地域コミュニティ活動の活性化と住民主体の地域づくりの支援を政策目標の1つに掲げ、自治協議会を住みよいまちづくりのパートナーであると位置づけ、市民と行政の共働によるまちづくりを推進しているところでございます。以上でございます。
    54 ◯副議長(久保 浩) 吉田市長。 55 ◯市長(吉田 宏) シティマラソンのルート変更の可能性についてのお尋ねです。  私も多くの市民ランナーの方から、先ほど議員が言われたようなルートをもう少し、その方の言葉をかりれば楽しいルートにできないものかというようなこと、そういうお話は結構聞いております。今、マラソンは大変市民の中にも広く浸透して、シティマラソンそのものも大きなイベントとして定着していますし、それからVIですね、ビジターズ・インダストリーという観点からも大きな役割を果たしていると思っています。  先ほど東京の例も申されました。大変東京では大成功している。それから、お隣の釜山でも秋にやっていますが、これは福岡で言えば、ちょうど荒津大橋の上を高速道路を走るようなそういうコースも設定してあって、海外でもいろんなところを走るという都市マラソンのあり方は、いろいろ工夫がなされているように思います。実際にルート変更について、いろんな警察を初めとする団体と協議を起こしていかなければ実際の動きにはならないと思うんですが、私は少しそういった動きをやってみていい時期ではないかというふうに考えます。来年が20周年ということもありますし、その先の高速道路の開通というようなそういうタイミングがありますので、先ほど御紹介いただいたような東京都のあらゆる団体が盛り上げていこうという、そういう機運を醸成するところから始まっただろうと思いますので、そういった声かけも含めまして、少し具体的に始めてみたいというふうに私自身も考えておりますので、またいろいろ御意見承りたいと思います。 56 ◯副議長(久保 浩) 江藤博美議員。 57 ◯62番(江藤博美) 2問目の質問に入る前に、今市長にお答えいただきましたシティマラソンの見直しですけれども、現在シティマラソンは西日本新聞社が後援して、もう1つ、12月にある国際マラソンは朝日新聞社が後援をしております。そういう意味で、福岡にも大きなマラソンのイベントが2つありますから、これをうまく結合することも含めて検討していただきますと、具体的な可能性があるのではないかなと。以前、私この問題で1回質問したときに、朝日新聞社のほうにも行って話をしたときに、非常に前向きな対応が印象に残っております。そういう意味で、ぜひ何かの節目に、少し仕込みの時間がやっぱりないと、担当課だけで仕込みをやれということではとても無理な仕掛けになりますので、ぜひトップセールスのところで仕掛けを念頭に置いて、腰を据えて取り組んでいただければというふうに思いますので、ぜひその点を要望しておきたいと思います。  2問目に入ります。  福岡市の特別支援教育の取り組みについてです。  福岡市では、特別支援学校が8校、特別支援学級小学校が110学級、中学校63学級、通級指導教室が小中合わせて27教室、生徒数は合わせて2,391人の子どもたちがそれぞれのハンディにチャレンジして通学をしております。これらの子どもたちに加えて、特別支援教育支援員の介助によって通常の学級に就学している子どもたちは現在37人いるという報告でありました。また、学校生活支援ボランティアの支援を受けて就学している子どもたちが28人おられます。そして、まだ援助を受けられずに、主に親の介助によって就学している肢体不自由児の子どもたちが10人、福岡市内で就学しているとのことです。今のところ特別支援学校や学級では、学校内のサポート体制はあるものの、通常の学級に就学している子どもたちへの支援は、支援員やボランティアによって対応しているのが現状だと聞いています。  そこで伺いますが、この通常の学級に就学している障がいのある子どもたちをサポートする支援員さんは、それぞれ該当する学校で募集され賄っているようですけれども、雇用条件や待遇など任用形態のこともあり、思うように人材を確保できないとの関係者からの声を聞いております。どのような広報手段で募っているのか、十分な周知が市民に行き届いていないことが人材確保に影響を与えているのか、それとも雇用条件や待遇の問題なのか、どこに改善の必要があるとお考えか、見解をお示しください。また、支援員や介助の対象外となっている通常の学級に就学している子どもたちは現在、先ほど言いました10人いると聞いています。この子たちは、保護者が就学中必要に応じて介助しているわけですが、今のままでは生活の糧の一部ともなるパートもままならない状態に置かれております。当市として、通常の学級への介助員配置なども取り組む時期に来ていると考えますが、御所見を伺います。  次に、新・放課後等の遊び場づくりモデル事業について伺います。  私は、夏休み前の7月中旬に東京都江戸川区の区立二之江第二小学校を視察してきました。生徒数543名、17学級の中規模学校で、周囲はマンションなどを中心とした住宅街に囲まれた学校です。江戸川区は都内で最も出生率が高く、子育て支援の行き届いたまちとして高い評価を得ています。放課後児童クラブとともに進められている、すくすくスクールという放課後遊びの広場事業は、昼間保護者のいない子どもだけではなく、かつ小学校3年生までに限らず、小学生であればだれでも参加できるとともに、幅広い地域住民との交流を通じて、社会性やコミュニケーション力を発達させることに貢献していると聞きました。次世代育成を地域と行政、学校がうまく連携することによって閉鎖的にならない、開放的なスペースがどんなに子どもの成育過程に影響を与えるかは明らかであります。放課後、校庭で学年を問わず、クラスを超えてめいめいにグループをつくって遊ぶ姿は、周辺の地域にも元気な活力を拡散する波及効果を与えています。このような光景は、現在本市で取り組んでいる放課後の遊び場づくり事業でも見受けられます。二之江小学校の女性校長先生のお話が印象的でした。学校教育課程とはまた一味違う子どもたちの解放感あふれた遊ぶ様子を窓越しに見たときに、この事業を広げていくため学校もしっかり取り組まなければならないと思いました、この思いが、わずか2年で区内77の全校に広がった要因だと思いますとおっしゃっておりました。  私は同僚議員と先日、2学期が始まった9月5日に放課後の遊び場づくり事業に取り組んでいる3つの小学校を訪問し、子どもたちの様子を見てまいりました。その1つの百道小学校のわいわい広場で遊ぶ子どもたちや見守りサポーターさんの声を、先ほども答弁の中で全体の感想を紹介してもらいましたが、それぞれの声の幾つかを少し紹介してみたいと思っています。  まず、子どもたちの声として。1年生の男子、きょうはアリを探して遊んだ。わいわいは泥遊びができるので楽しいです。1年生の女子、竹馬が楽しいです。高いのに乗れるところが楽しいです。一輪車も楽しいです。1人で乗れるのが楽しいです。わいわいに来るのが大好きです。1年生の女子、きょうまで1回しか休んでいません。竹馬が楽しいです。1年生の男子、きょうでわいわいは7回目です。泥遊びをするのが楽しいです。金曜日しかわいわいに来れないので、火曜日も来れるといいな。そして、1年生の女子は、きょうは猿渡りをしました。前は全然できなかったけど、半分まで行けるようになりました。きょうは3回目ですが、また参加したいと思います。  そして、見守りサポーター、保護者さんのほうの声を幾つか紹介したいと思います。公園に遊びに行っているからと最近では安心できない環境にありますが、わいわい広場では昔ながらの遊びを個々が自由に楽しんでいるように思えます。保護者としては本当にありがたく、子どもにはここで過ごす時間を大切にしてほしいと思いました。子どもたちが外で元気よく遊べる場があって、サポーターもいるので安心しています。もっと回数をふやしていただけると助かります。また、初めて見守りに来て、娘やお友達が走り回っている様子を見ました。自分が小学生のころは学校帰りに何の心配もなく道草をしていたのを思い出しました。物騒な時代になりましたが、このような場所があることをありがたく思いますなどなどがこの通信欄に掲載されておりました。この百道小学校は、今7月段階で申込者が125人、毎回60人を超える子どもたちが参加しているとのことでありました。  そこで伺いますが、本事業を今後一層充実させていくためには、どれくらいの事業費と体制が必要とお考えか、お示しください。また、他都市の事業費について、どのくらい要しているのか、つかんでいる数字をお示しください。  次に、地域・住民自治システムの構築について、2問目を伺います。  1問目の答弁でわかりましたけれども、自治協議会をまちづくりの共働パートナーと位置づけてはいるものの、何ら法令的な根拠もなく、単に施策推進において重要だから大切にします、補助金も出しますというレベルであります。現在のところは、まだそのレベルです。私は、当市のあらゆる施策実行に果たす共働のパートナーたる住民自治組織、つまり地域コミュニティーの支援は、本市の中核事業としてきちんと位置づけられるべきであると考えております。  そこで、他都市ではあるいは研究者の中では、住民自治支援についてどのような施策とこれからのあり方について議論が行われているのかについて、どの程度の調査が当市で行われているのか教えてください。私も興味があってインターネットや書籍などで調べてはいるのですが、まだ研究、検証の事例は少ないようです。少ない事例の中でも、先進都市として紹介されているのが、当市も自治協議会制度移行の際に研究させてもらった兵庫県宝塚市。そのほか長野県長野市、栃木県宇都宮市、三重県名張市、神奈川県川崎市、同大和市、東京都町田市などでは、住民自治支援のあり方についてさまざまな取り組みと実証、研究が行われています。町田市は、NPO多摩住民自治研究所がフォーラムなどで情報の収集を行っているようであります。当市も地域住民自治と行政の共働システムの構築に関しては、先進地の一角にあるというのが外からの評価でもあります。だからこそ私は、当市にとって共働の重要なパートナーである住民自治組織、地域コミュニティー支援のあり方については、先進的な政策を常に検討、実証していくことが求められると思っております。  これまで議論を重ねてきた福岡市コミュニティのあり方検討会で、第2次提言に向けた作業はどのような進捗状況にあるのか、また、最終提言に向けてはどのような方向性が考えられているのか、また、具体的事業である住民自治、地域コミュニティーをサポートしている公民館事業のあり方についてどのように進化させようと考えているのか、お答えをお願いいたします。  以上で2問目を終わります。 58 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 59 ◯教育長(山田裕嗣) まず、特別支援教育支援員の募集につきましては、市政だよりや市のホームページ等で広く市民に周知を図っており、各配置校で申し込みを受け付けて名簿登録を行い、登録者の中から面接等の選考を行って採用者を決定しております。特別支援教育支援員の人材確保につきましては、現在、全市で113名の方に登録をいただいておりますが、各登録者が通勤可能な範囲と特別支援教育支援員を必要とする学校の所在地が必ずしも一致せず、学校によっては登録者の確保に苦慮するケースもあると聞いております。今後、ボランティア団体からの人材紹介など、人材確保の方法等について検討してまいりたいと考えております。  次に、介助員につきましては、児童生徒の身体的介助と安全の確保などを目的として、特別支援学校及び特別支援学級に配置をしております。障がいの状況や教育的ニーズの面から、特別な配慮を要すると考えられる児童生徒については、医師、大学教員などから成る適正就学指導委員会の判断に基づき、個にふさわしい適切な就学の場を提供するという観点からスクールバスやエレベーターなどの施設が備わり、多くの専門職員を配置した特別支援学校または通常の学級に併設した特別支援学級での就学を指導しているところでございます。お尋ねの通常の学級への介助員の配置についてでございますが、肢体不自由のある児童生徒のうち、教科学習などの面で通常の学級における教育の効果が高いと判断されるケースの支援については、重要な課題と認識しております。以上でございます。 60 ◯副議長(久保 浩) 大場こども未来局長。 61 ◯こども未来局長(大場美徳) 放課後の遊び場づくり事業につきまして、今後の事業充実に必要となる事業費と体制についてのお尋ねでございますが、本市がこれまで取り組んでまいりました放課後の遊び場づくり事業では、1校当たりの年間事業費は460万円程度、本年から実施いたします新・放課後等の遊び場づくりモデル事業では、1校当たり640万円程度となっておりますが、今後の事業費と体制につきましては、モデル事業による事業手法や内容の検証・検討を踏まえまして、今後検討してまいりますので、御理解を賜りますようにお願いいたします。また、参考事例として御紹介いたしました名古屋市におきましては、1校当たりの年間事業費は800万円程度、大阪市におきましては1校当たり1,200万円程度となってございます。なお、事業費はいずれも平成20年度当初予算ベースの数字でございます。以上でございます。 62 ◯副議長(久保 浩) 陶山市民局長。 63 ◯市民局長(陶山博道) 住民自治に関する支援施策や今後のあり方に関する他都市などの動向につきましては、全国17の政令指定都市との定期的な会議などにおきまして情報交換を行っているほか、他都市や大学、調査研究機関などが本市の調査に来られることも多く、このような機会をとらえて情報の収集を行っているところでございます。近年は本市と同様、小学校区などを基本単位とした住民自治組織との共働など、新たなコミュニティー支援策を策定する自治体が増加する傾向にあると受けとめております。また、政令指定都市での事例を申し上げますと、仙台市や名古屋市、川崎市などでコミュニティーと行政のあり方について、本市などを参考にした取り組みが進められていると聞いております。  次に、コミュニティ関連施策のあり方検討会につきましては、全体で13回にわたる検討をいただき、コミュニティーへの財政的支援のあり方を主な内容とする、昨年10月の第1次提言に引き続き第2次提言に向け、コミュニティーと市の共働に向けた取り組みやコミュニティーの自治の確立に向けた方策について議論をいただいてきたところでございます。具体的には、市とコミュニティーの意識改革が必要であること、校区重視の施策を徹底していくことが重要であること、校区担当職員や公民館などのコミュニティー支援の役割を充実すること、自治や自治組織の必要性について市民へのPRを強化することなどを内容とする提言の取りまとめを行っていただいている段階であり、10月には最終提言となります第2次提言をいただく予定となっております。  次に、公民館事業のあり方につきましては、自治協議会等と十分にコミュニケーションをとりながら地域の課題を把握した上で、その課題解決のための学習機会の提供やコミュニティーで活動できる人材の育成など、公民館が本来持っている機能を活用し、コミュニティーの活動を側面からさらに支援していく必要があると考えております。そのためには、公民館職員がより幅広い知識を身につけるための研修の充実や校区担当職員によるきめ細やかな公民館への情報提供、助言指導を行っていく必要があると考えております。以上でございます。 64 ◯副議長(久保 浩) 江藤博美議員。 65 ◯62番(江藤博美) 3問目に入ります。  小中学校における特別支援教育推進ですが、今教育長から答弁がありましたけれども、通常の学級における教育の効果が高いと判断される肢体不自由児への支援について、これは重要な課題として認識しているという認識はいただいておりますので、問題は実行であります。いつどのように、できるだけ早く実行していただけるかということが質問の趣旨でありまして、その点については改めて市長のほうでもぜひ決意を伺っておきたいというふうに思います。  国は、障害者基本法の一部改正によって、障がいのある児童生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進しなければならないと定めております。その際、小中学校においては、特別支援学校のセンター的機能の発揮による相互連携協力を副籍制度などを活用の上積極的に推進すべしと、通常学級も含めた教育活動全体での適切な推進が図られるよう関係法令等における位置づけについて検討するとともに、教育委員会や学校における推進体制整備のための取り組みが求められるとしております。  当福岡市では、毎年、発達教育センターに来られる就学相談件数はふえ続け、昨年度2007年は620人の相談会参加者があったと聞いております。そして、相談結果の内容は、同センターと異なる措置件数は昨年の場合122人と、不一致率は20%前後。先ほどの質問の中でも取り上げました通常の学級に就学している72人の子どもたちは、この不一致に該当するのでしょうか。障がいのある子どもを持つ保護者は、できるだけ普通に教育を受け、社会に順応していけるよう求めていくのは当然のことですし、それを最大限に生かしていく私たちの努力もまた当然のことであります。幸い本市では、特別支援学校や学級の充実に取り組んできた実績も重ねており、市外から転入してきた子どもたちも一昨年2006年が27人、昨年が48人とふえ続け、その責任の大きさも増しているように思います。しかし、いまだ通常学級に就学している10人の肢体不自由の子どもたちへの介助支援は、これまでお答えいただいたとおり、まだ十分ではありません。とりわけ現在に至っても、親の介助のみに頼っている小中学校の通常の学級に就学している肢体不自由児へのサポートは、喫緊の課題として必要と思われます。最後に市長にこの問題に関する全体的な感想とあわせて取り組みの決意を伺います。  次に、新・放課後等の遊び場づくりモデル事業についてですが、市長は子どもの施策を第一の柱としております。私は、放課後子ども教室推進事業は他都市の先例にもあるように大変重要な施策と考えております。当初の新・放課後等の遊び場づくり計画3カ年のモデル事業の結果で事業内容の検証・検討を行うとするペースでよいのでしょうか。地域の真ん中で放課後子どもたちが元気に遊ぶ姿が普通の風景として見られることが、地域の活性化への波及効果をもたらすことを考えると、一日も早く市内全域で展開策を講じるべきだと思います。本市子ども施策の当面する重要施策として改めて位置づけ、市長の強いリーダーシップで取り組みを進めてはどうかと思いますが、市長のお考えと決意をお聞かせください。  最後の質問です。地域・住民自治システムの構築について。  住民自治組織、地域コミュニティー支援事業を単に行政のコスト削減のためのまたは本市の施策推進のための共働パートナーとしての評価にとどめないで、行政、議会、住民自治というトライアングルが福岡市政のかなめであり、ソフトインフラ事業の中核として位置づけることが今後の重要な作業だと私は考えております。そして、すべての市民の居住環境改善のための合意形成を進めていく上において欠くことのできない支援事業として明確に位置づけるためにも、例えば、住民自治条例のようなもので条例化するなどの取り組みが今後求められていくことになります。地方分権の潮流は、福岡市の中でさらに都市内分権の思想として、市政の随所で求められてくることは必至です。民主主義という制度が市民の合意形成にとって議会という機能と、もう1つ住民自治システムという新しい機能から補完していくことの可能性について検討が求められてくると思います。市長は、住民自治組織、地域コミュニティー支援事業の第2次事業として本格的な目指すべき住民自治システムの確立支援のための調査研究を行うつもりはないか、所見を伺います。  そこで私は、今年度中にまとめる福岡市コミュニティのあり方検討会最終提言に向けた課題は、住民自治組織、地域コミュニティー支援事業を担う住民側と行政側双方のマンパワー育成のための具体的な支援であると思っています。そのためには、まず、これまでの地域ボランティア頼みの支援から地域コミュニティービジネスとして法人化した住民自治組織の整備支援、つまり自立した住民自治組織の経営を支援するための方策が現実、今問われていると思います。この課題に対して第2次提言の検討の中で、その端緒となるであろうコミュニティーと市との対等なパートナー関係の確立として、その意識改革には触れていますが、また、同あり方懇では、住民自治組織と行政が対等なパートナーである関係であれば、その関係を前提として事業パートナーとしてきちんと位置づけをして、事業の対価の保障を検討するなど考えるべきであるという意見も出されたと聞いております。私は、この意識改革を裏打ちしていくための事業対価の保障が、自立した住民自治組織の経営を支援するための方策だと考えております。当市は、今後一層コミュニティーに対する依頼事項がふえていくであろうことは間違いありません。市と地域コミュニティーが双方利益を得られる仕組みづくりこそ喫緊の課題だと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。  そして、当面している公民館事業のあり方についても、第2次提言の検討の中では、コミュニティー支援のためのさらなる強化と校区担当職員を軸にした公民館事業の再構築を改めて強調されております。自治協議会制度を通じた支援強化についても、改めて従来の公民館事業を総括し、校区主義に基づく自治協議会事業と連携のあり方を行政内部でまず整理し、地域には一体的、効率的一貫性を持たせた事業推進を図るべきだと考えております。キーワードは、校区担当職員制度のさらなる充実と質の担保が第一歩であると考えておりますが、市長のお考えをお聞きいたしまして、私の質問を終わります。 66 ◯副議長(久保 浩) 吉田市長。 67 ◯市長(吉田 宏) 最初のお尋ねですが、小中学校における特別支援教育の推進についてです。  これは、障がいのある方々の自立と社会参加を目指して、自立促進のための就労支援、教育環境の改善を図るということは極めて重要だと考えております。特に特別支援教育の推進につきましては、笑顔があふれて、明るく元気な子どもをつくるという私どもの政策の柱でありますし、障がいのある子ども1人1人のニーズに応じて、また、1人1人にとって最も適切な教育の場を提供するという、よりきめ細かな教育を進める必要があると考えております。御指摘の点につきましては、教育委員会と十分協議を行いまして、予算の重点的な配分、効果的な活用を図りながら、特別支援教育の推進に向けて教育環境の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  2つ目の放課後の遊び場づくり、もう少しペースを早めたらどうかという御意見でございました。局からも先ほど報告をしましたし、議員のほうからも現場での声も紹介していただきました。おおむね今、放課後の遊び場は大変好評といいますか、役に立っているということがだんだん実証されてきているというふうに思っております。その中で、やはりこの先ペースをどうするかということですけれども、今はモデル事業としてやりながら検証しているわけでございますが、これをもう少ししっかりと進めて、できるだけ早く方向性を見定めて、居場所づくりに積極的に取り組んでまいりたいと思っています。早くというのはどのぐらいかということもあると思いますが、先ほどの江戸川のように全部、江戸川77校区一遍にという非常に積極的な取り組みの御紹介ありましたけれども、そういったペースで福岡市もいけるかどうか、ちょっとまだ今は明言できませんけれども、しっかりと実施をしてまいりまして、効果が上がるということが把握できましたら、またその時点でペースを上げるということの判断をまたやっていきたいと思っています。  それから、最後のお尋ねです。福岡市が住民自治の先進地であるということは、私もこれは誇れる事実だと思います。自治協議会ができてもう4年目に入りましたですが、今見直しも含めてですけど、だんだん今の福岡市のシステム、私は定着をしてきている部分もあるかなと思っています。もちろん改善する点が多いのも事実でして、だからこそ今、コミュニティ関連施策のあり方検討委員会をつくって検討を今やっているわけでありまして、もうすぐ10月に第2次の提言をいただくと。これまでの中での議論をお聞きしておりますと、例えば、今御指摘にありました校区担当職員を初めとする行政支援のあり方、それから公民館の活動をもう一度見直すというか、あるべき姿を模索しようと、こんな話が大分煮詰まってきているように思いますので、近く出される提言、私も大変期待をしております。  議員が御指摘のように、真のパートナーに逆にならなければ、これから先、行政が主導していくという形だけでの住民自治のシステムというのは、もう成り立たないと思っておりますし、真のパートナーというのがどういった関係にあるのかと。財政的なこと、人的な支援のこと、それから先ほどはコミュニティービジネスについての御指摘もございましたけれども、NPO活動も含めまして今地域での活動は大変広がりを見せておりますし、そういったニーズにも我々がこたえていく体制づくりが急がれていると思いますので、まずはこの10月の提言をしっかり受けとめまして、私どもとして新たな施策を確立していくよう最大限の努力をしていきたいと思っています。 68 ◯副議長(久保 浩) 尾花康広議員。 69 ◯33番(尾花康広)登壇 昨今、東京・秋葉原の無差別通り魔殺人事件など、社会全体を覆う閉塞感を感じさせる凶悪犯罪が多発しており、犯罪の発生要因の1つとして、年齢ギャップと言われる発達段階に応じた社会性が身についていないことがクローズアップされています。人が社会とのかかわりを持つ最たるものは雇用、就業、すなわち働くということであり、その素養は、幼少期から地域において異なる年齢層と交流することから始まると思います。あらゆる市民が社会とのかかわりを持ち続けることを醸成する観点から、私は公明党福岡市議団を代表し、本市の雇用、就業支援の取り組みと放課後子どもプランの取り組みの2点について質問を行います。当局の積極的かつ前向きな答弁に期待します。  まず、本市の雇用、就業支援の取り組みについてです。  あるとき、私の事務所に母子家庭のお母様が、自分がだんだんと高齢化、年をとるので特定疾患、難病を持つ子どもの将来について、この子がきちんと職業を持ち、自立して生きていけるのかどうか、とても心配になったので子どもを連れてまいりました、と市民相談においでになりました。息子さんは20歳代前半の方で、今は病気を何とかコントロールされ、将来の就職に少しでもプラスになればと、医療関係の資格取得に向け、専門学校に通っておられました。働く意欲はあっても、病気に対する社会の偏見などで就労先が極端に制限されている方が現実として少なからずおられます。  そこでお尋ねいたします。本市には、就職に困難を抱えている方などに対し、就労に関して、保健、医療、福祉等の関係機関が連携し、継続的な支援を行っていく仕組みがありますか。  さて、本市の最近の雇用失業情勢を見ると、平成20年7月時点において、福岡県の有効求人倍率は0.64倍、福岡地区有効求人倍率は0.61倍と、全国平均の0.89倍を大きく下回っています。0.61倍ですから、福岡都市圏は仕事を探している人、100人に対して61人分の仕事しかないということです。福岡県の求職者数の半数近く、46.7%が若年者、15から34歳で、その数は3万6,857人で、高齢者である55歳以上の求職者に占める割合は20.8%、2万1,199人で、全体の5分の1に達しています。福岡県の完全失業率、平成20年4月から6月は5.1%で、全国平均の4.1%を上回り、平成19年6月1日時点における県内の従業員56人以上の企業の障がい者雇用率は1.63%で、法定雇用率である1.8%に達しておらず、未達成企業は51.5%、半数以上に及んでいます。平成18年11月に実施された福岡市ひとり親世帯実態調査の結果によれば、母子家庭で年収200万円未満の世帯は51.8%で、5割を超えています。こうした背景には、派遣労働者やパート労働者の増加などで非正規雇用が増加し、安定した雇用が相対的に減少していることや、急激に進むIT化等の影響による職業能力のミスマッチなどがあり、就業を希望する市民の期待にこたえ、円滑な労働移動を促すための積極的な就業支援の取り組みが必要であると言われています。  そこで、お尋ねいたします。非常に厳しい雇用失業情勢の中、本市は市民に対し、これまでどのような就業支援を行ってきたのでしょうか。特に就職弱者と言われる若年者、高齢者、障がい者、母子家庭の母等の就業相談などの状況はどうなっていますか。  平成12年4月、雇用対策法が改正され、その第5条において、地方公共団体に雇用施策に取り組む努力義務が課せられました。国においては、再チャレンジ支援総合プランや成長力底上げ戦略を推進しており、いずれもフリーターやニートといった若年者や高齢者、障がい者、母子家庭の母など、就職に向けた支援が必要な人の就業を支援する内容で、平成20、21年度に本格的に取り組むことになっております。これを受け、東京都世田谷区は、職業紹介から就労後の支援までを一括してサポートする就労支援総合窓口を開設し、子育てや介護などでフルタイム勤務が困難な区民には、短時間勤務など柔軟な雇用形態の仕事を紹介し、35歳未満の若年層を対象に試用期間、最長3カ月に国が賃金の一部を助成し、企業の人件費負担を軽減するトライアル雇用も扱っています。窓口には専門の職員が常駐し、就職後の相談も受け付け、仕事の進め方もアドバイスし、さらに、区内企業を巡回して求人情報を収集する専門員も配置しています。若者、女性、中高年など、対象に応じて内容を変えるセミナーも実施し、セミナー参加者は個別の企業と接触できるようになっており、仕事と家庭の両立に配慮した、きめ細やかな就労支援に取り組んでいます。  また、福岡県古賀市では、制度改正によりハローワーク業務を市町村単位で行えるようになったことに伴い、平成17年6月に無料職業紹介所を市庁舎内に設置し、専門の嘱託員を配置し、来所する求職者には詳細なヒアリングを行った上で企業とのマッチングを図るなど、きめ細かく対応を行い、同市には工業団地に立地する企業や医療機関が多いことも奏功し、製造業や医療、福祉関連企業への就職が増加し、平成19年度には来所者465人に対して採用者は241人と、採用率が5割を超えるなど高い実績を上げております。これに比べて、本市の取り組み状況はどうでしょうか。最近、本市のホームページに寄せられた市民の声に、求職によい案や助言をくださいとの題目で、東区の30代の女性からの、自分の能力を生かして働きたいが、年齢制限等で見つからない。現在、ハローワークで求職相談をしているが、市においても何かよい案や助言をくださればとの声で、ハローワークに既に求職登録し、自分の能力を生かしたいという職務経験のある女性の相談に対し、市の回答内容は事もあろうに、無業の若者等への若者自立支援事業の案内をし、ハローワーク等の就労機関への付き添いやホームページによる求人情報の閲覧を説明し、具体的な求職活動はハローワークが行っている現状ですので御理解くださいというもの。この回答は余りなのではないか。この事例が本市の雇用、就業に取り組む姿勢を物語っていると思います。  そこでお尋ねいたします。そもそも本市において、独自の職業紹介事業を行う予定はないのでしょうか。  本市の就職に向けた支援が必要な人に対する就業支援窓口を何カ所か視察してまいりました。どの施設においても、職員の方が限られた予算と人員の中で懸命に働いておられ、貴重な御意見を伺うことができました。まず、福岡市障がい者就労支援センターは、障がい者の就業先の確保のためには、ハローワークの障がい者雇用率達成指導や福岡商工会議所からの会員企業への働きかけとの連携など、企業へのあと一押しができる体制づくりが急がれていること。また、当センターは博多区千代の旧博多保健所施設を改良して設置されておりますが、個人面談室などは消防法の関係で壁を天井まで伸ばすことができず、相談者のプライバシーを保つことができません。また、最寄りの公共の駅から当施設まで点字ブロックが道幅の関係で敷設できず、家族の方などの介添えなしでは視覚障がい者が1人ではたどり着けないなどの問題を抱えておりました。  次に、福岡市立母子福祉センターは、運営をNPOに委託しており、就業支援相談件数が来館、電話等を含めトータルで平成18年度は351件あったものが、平成19年度には1,244件と対前年度比3.5倍を超えて増加し、来所者のニーズから就業支援相談を週5日から週6日、夜間も週3回行うなど大幅に拡充しておりました。パソコン操作などのIT講習を実施しておりますが、機器が10人分しかなく、ニーズにはほど遠い数で、増設したいが予算が限られているとのこと。また、各区役所からセンターへの誘導にも温度差があり、当センターのPRを十分に行ってほしいとの声が聞かれました。  区役所にある高齢者職業相談室では、建設業界等を離職した高齢者からの相談が多く、就業意欲は高いが、履歴書、職務経歴書の書き方や面接の受け方等のビジネスマナーなどの基本的なアドバイスが必要で、区役所の会議室でそうしたセミナーが開催できればもっと効果的との意見をいただきました。  特に上記3施設が異口同音におっしゃったことは、障がい者、母子家庭の母、高齢者等の就職弱者に対する企業などの就業先の受け皿が余りにも小さいという問題であり、国や県を初め、福岡市として就業先の確保対策に本腰を入れて取り組む必要があるのではないかという問題提起でした。  そこでお尋ねいたします。本市として、就職弱者の雇用問題など、他局にまたがるテーマで会議を開催し、その問題への対策を具体的に協議し、実行に移したことがありますか。各就業支援施設が共通に抱える問題を全庁的に討議し、その改善策を練る体制がありますか。また、ここで問題になっている就職弱者の雇用問題、就業先の拡大などについて、本市としてどのように取り組んでおられるのでしょうか。  次に、放課後子どもプランについてです。  子どもが犠牲となる犯罪、凶悪事件が相次いで発生し、社会問題化している上、子どもを取り巻く家庭や地域の教育力の低下が指摘されており、そうした中で放課後対策は近年ますます重要になってきております。平成19年度から全国的にスタートした放課後子どもプランは、地域社会の中で放課後や週末等に子どもたちが安心して健やかにはぐくまれるよう、文部科学省の放課後子ども教室推進事業と厚生労働省の放課後児童健全育成事業を一体的あるいは連携して実施するもので、具体的には子どもたちの適切な遊びや生活の場を確保し、小学校の余裕教室などを活用して、地域の参画を得ながら学習やスポーツ、文化活動、地域住民との交流活動などが実施されるものです。この取り組みは行政や学校だけではなく、地域の多くの方々の参画がなければ定着、促進されないものであり、この取り組みを通して地域のコミュニティーの形成によって、社会全体で地域の子どもたちを見守りはぐくむ機運の醸成が図られ、子どもを育てやすい環境の整備につながると言われております。また、学校教育外において子どもたちの学習、多様な体験の機会を地域ぐるみで提供する仕組みをつくる観点からも重要であり、このような取り組みに地域の人材が幅広く参加すれば、地域社会全体の教育力向上も期待できます。子どもの安全な居場所を確保することは、同時に保護者等が安心して働く環境づくりにつながり、結果としてワーク・ライフ・バランスの確保に資するものであります。  そこで、お尋ねいたします。本市の放課後子どもプランの1つである新・放課後等の遊び場づくりモデル事業の取り組み方針並びに進捗状況はどうなっていますか。本市においては、前身の事業である放課後の遊び場づくり事業、わいわい広場が5年間でわずか10校にしか広がらなかった苦い経験がありますが、今度の新モデル事業においては、その課題分析と対策が打たれているのでしょうか。  以上で1回目の質問を終わり、2回目以降は自席にて行います。 70 ◯副議長(久保 浩) 阿部保健福祉局長。 71 ◯保健福祉局長(阿部 亨) 雇用、就業支援の取り組みに関する御質問のうち、特定疾患や障がいなどで就労に困難を抱えている方への支援についてでございますが、特定疾患の方は障がい者手帳をお持ちの場合がございます。障がい者への就労支援につきましては、障がい者就労支援センターを中心に就労に関する相談などを行っているところでございまして、就労支援センターでは必要に応じ、保健福祉センター、医療機関など等の関係機関とも連携をし、就労を支援しているところであります。  また、障がい者の就業相談につきましては、主に障がい者就労支援センターで応じているところでございます。就労支援センターにおける本人、家族からの相談件数は、19年度の実績で延べ件数でございますが3,034件、就職者数は123人でございます。以上でございます。 72 ◯副議長(久保 浩) 渡辺経済振興局長。 73 ◯経済振興局長(渡辺正光) 雇用、就業支援の取り組みについてお答えをいたします。  まず、これまでどのような就業支援を行ってきたのかというお尋ねでございます。  本市には、ハローワークを初めとする就業支援機関が、さまざまな就業紹介、職業相談、職業訓練等の事業を行っております。本市では、まずこれらの事業をホームページ内に開設をいたしました福岡市しごと情報サイトや市政だよりなどの広報媒体を用いまして、就業に関する情報を市民に提供してまいったところでございます。また、若年者、高齢者、障がい者や母子家庭の母など就労困難者に対しましては、本市独自の就業相談窓口を設けて、個々の状況とニーズに応じた就業支援を行ってきたところでございます。  次に、就業相談の状況についてでございますが、まず若年者につきましては、就労への一歩を踏み出せない無業の若者、就職や仕事に対して不安がある若者及びその保護者を対象に、市立青年センターにおきまして若者相談窓口を開設いたしております。平成19年度は688件の相談を受け、32人の方が就職に至っております。  次に、高齢者の就業相談につきましてはハローワークと共働で、南区、早良区の各区役所市民相談室におきまして毎週月曜日から金曜日の間、職業相談や職業紹介を行っております。平成19年度は3,484件の相談を受け、196名の方が就職に至っております。  次に、本市独自の職業紹介事業を行う予定はないのかというお尋ねでございます。  本市独自の職業紹介事業といたしましては、こども未来局において、母子家庭の母を対象とした企業合同面談会を実施するとともに、母子福祉センターで常設の職業紹介を行う予定といたしております。今後、その他の就労困難者への職業紹介事業の拡充につきましても、それぞれの特性に応じて必要性を検討してまいります。  次に、就労困難者の雇用問題や就労支援施設の抱える課題に対する対策、また、就業先の拡大に対する取り組みについてのお尋ねでございます。  就労困難者の雇用問題や就業支援施設が抱える課題につきましては、それぞれの就労支援施策を実施していく中で、関係局で協議、対応してきたところでございます。例えば、議員お尋ねの就業先の拡大につきましては、障がい者や高齢者等を雇用することへの企業の理解、協力などが必要であり、経済振興局におきましても企業向け情報誌「CATCH」を使って、障がい者就労支援センターや高齢者雇用確保措置など、雇用、就労に関連する施策等の紹介や周知に努めてまいったところでございます。また、障がい者就労支援センターでは、企業訪問などを行いまして就労先の確保を行っております。今後とも、雇用、就労に関して、庁内の情報交換、連携を図ってまいります。以上でございます。 74 ◯副議長(久保 浩) 大場こども未来局長。 75 ◯こども未来局長(大場美徳) 私のほうから母子家庭の母の就職相談につきまして、市立母子福祉センターにおける状況についてお答えいたします。  休館日でございます月曜日を除きまして、毎日相談をお受けいたしておりまして、相談件数につきましては、議員御指摘のとおり増加傾向が非常に顕著になっております。相談の内容につきましては、履歴書の書き方や面接の受け方、自分に合った仕事、適職に関すること、就職に役立つ資格取得に関すること、就職活動の方法に関することなどでございます。また、相談者に対しましては、相談に対する助言を行うとともに、ハローワークとの連携や求人情報誌などからの情報をもとに求人情報を提供いたしてございます。  次に、新・放課後等の遊び場づくりモデル事業の取り組み方針についてでございますが、本年から3年程度かけましてモデル事業を実施することといたしております。その中で、関係事業や関連団体との連携のあり方、子どもたちや地域、学校にとって、よりよい事業内容や効果的な事業手法等について検証・検討し、新しい事業の制度設計を行うことといたしております。進捗状況でございますが、現行の放課後の遊び場づくり事業を実施しております10小学校の地域関係者との協議、調整等を進めてきたところであり、本年9月下旬から10月にかけて7校で新モデル事業を開始する予定としてございます。  続きまして、事業の課題と対策につきましては、大きく3つあると考えております。まず、事業内容や手法の課題でございます。これまでの外遊びに特化した内容だけでは、子どもや保護者に参加を促す魅力は不足していたのではないかとの認識から、子どもや保護者、地域、学校等の動向、ニーズを踏まえ、またNPOや大学などの参画も得ながら、新たな事業メニューや事業手法の検討を行っていくことといたしてございます。  次に、推進体制の課題でございます。事業運営や安全管理にかかわる体制面での充実を求める保護者や地域の声を踏まえ、有償の補助員の新設、プレリーダーの派遣回数の増加、NPOや学生などの多様な主体への参加の働きかけなどを行っていくことといたしてございます。  3点目は、事業の周知、PRの課題でございます。事業そのものの存在、また、この事業の趣旨である遊びが子どもの成長に与える効用について、十分に周知できていなかったのではないかとの認識から、講演会やPRビデオの作成、実施校での事業見学会など、情報発信、PR活動の強化を図ってまいりたいと考えてございます。以上でございます。 76 ◯副議長(久保 浩) 尾花康広議員。 77 ◯33番(尾花康広) まず、本市の雇用、就業支援の取り組みについてです。  現場の声は、市民の就業支援施策を、本市として重点課題として位置づけ、全庁的に調整、推進する仕組みが必要なのではないか、そうすれば、本市の事業に絡めての就業体験、雇用創出、企業等の就業先の受け皿づくりがもっとできるのではないか、全庁的に検討する場があれば、例えば、福岡市障がい者就労支援センターの所在地は、ハンディキャップを抱える障がい者にもっと配慮し、利便性が高く、バリアフリー化も進んでいる天神、博多駅地区等になったのではないかというものです。こうした声を背景に、政令指定都市の中でも先駆的な雇用、就業支援施策を展開している大阪市を調査してまいりました。
     大阪市では、平成14年2月、市における雇用に関する施策を総合的かつ円滑に推進するため、大阪市雇用施策推進本部を設置し、本部長には市民局長が就任し、その構成員にすべての局が名を連ね、全庁的に雇用施策に取り組んでおられました。平成15年7月には、大阪市雇用施策推進プラン基本計画を策定し、平成16年2月、5万人の雇用創出と雇用の安定に向けた取り組みを取りまとめ、雇用につながるざまざまな分野の施策を総合的に推進することにより、平成16年度から19年度の4年間で5万人の雇用創出という雇用の受け皿づくりの方針を強く打ち出し、結果として6万2,486人の雇用を達成しておりました。平成17年3月、大阪市雇用施策推進基金を設置し、平成18年3月、大阪市雇用施策推進プラン、第2次、平成20年5月、大阪市雇用施策推進プラン、第3次を策定し、就職に向けた支援が必要な人に対する就業支援などを重要な柱とし、個人の職業能力を高めるためのキャリア形成支援や経済団体等の連携などを推進し、平成20年度ベースで見ると、実施される119の事業が雇用・就業支援の1本の柱に見事に関連づけられ、一目瞭然に事業の効果が雇用の創出に結びつくことがわかり、就職に向けた支援が必要な人の就職数の平成20年度目標は4,250人と設定されておりました。  また、大阪労働局、大阪府、大阪市、関西経営者協会、連合大阪の5者で構成される大阪雇用対策会議を設置し、雇用・就労支援プログラムを策定しており、これを一読すると公労使一体となった、就職に向けた支援が必要な人に重点を置いた雇用、就労支援の展開が一目でわかり、大阪は雇用のセーフティーネットがしっかりしているな、人生路頭に迷ったら大阪に行こうと思わずつぶやいてしまうほどの徹底ぶりでした。  今までの調査結果を踏まえ、本市における雇用、就業支援施策の促進を具体的に提案したいと思います。本市は、雇用・就業施策推進本部を設置し、雇用・就業施策推進プランを策定し、本市の事業をこのプランのもとに関連づけ、雇用創出と雇用の安定に取り組み、また具体的な目標を設定すべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、企業等の就業先の受け皿づくりに関連して、本市の事業を活用した雇用機会の創出などをもっと積極的に推進すべきです。  北九州市では、事務用品供給から清掃業務提供に至るまで、物品供給業者の格付、子育て支援を評価項目にしたとされますが、本市においては、さらに進めて、登録業者の全分野の契約に関し、若年者、高齢者、障がい者、母子家庭の母等の雇用の社会的責任、社会貢献の視点を導入してはいかでしょうか。  地方自治法施行令第167条の2、随意契約の3は、高齢者や母子家庭の母等の就業支援を行う団体から役務の提供を受ける場合や障がい者の就業支援等を行う施設において製作された物品を買い入れる場合は、随意契約によることができる旨が規定されており、さらに、本年3月1日の改正により、障がい者就業支援施設等との随意契約の範囲の見直しが行われ、物品を買い入れる契約のほかに新たに役務提供を受ける契約が加えられましたが、本市における取り組み状況を具体的にお示しください。また、この法令の趣旨を生かすためにも、各種団体へ本市が契約可能な物品製作や役務の提供についての働きかけや、これらの物品や役務提供の契約を促進する本市独自のローカルルールを整備し、もっと高齢者や障がい者、母子家庭の母等を優先した取り組みを推進すべきだと思いますが、いかがでしょうか。  指定管理業者の選定に当たっては、本市は、指定管理者の指定の手続に関するガイドラインを設け、各局における指定管理業者の選定基準の1つとして、障がい者や高齢者の雇用の配慮をうたっておりますが、審査項目として設定するよう努めること、配点や評価するポイントを整理し、募集の際に考え方を明示することが望ましいなどと緩やかな表現になっており、しかも障がい者や高齢者以外の若年者、母子家庭の母及び寡婦などが明記されていないという問題点があります。早急に改善し、せっかくガイドラインを定めているのですから、これに沿って指定管理業者を選定するよう各局へ徹底し、その結果、どのくらい就職弱者の雇用が確保できたかを掌握するぐらいの真剣さで取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  次に、本市の放課後子どもプランについてです。  先進事例の視察として、昨年、東京都江戸川区すくすくスクール事業と豊島区子どもスキップ事業を調査してまいりました。両区とも運営体制が非常に重厚で、江戸川区は全73校で実施していましたが、代表的な立場で学校や地域との総合的な調整を担当する区非常勤職員であるクラブマネジャー1名、児童の安全管理や育成指導、学童クラブの保護機能、その他庶務的事項を担当する区常勤職員、非常勤職員のサブマネジャー、2から4人、児童の見守りなど活動の補助的業務を担当する区臨時職員であるプレイングパートナー、3から7人、地域教育の代表として子どもたちとのかかわり方を考え実行する支援組織で、PTAや町会、自治会等の地域ボランティアにより小学校区単位でサポートセンターが設置されておりました。豊島区でもほぼ同様の体制で、障がい児、施設内容、実施形態等により職員配置数を加算できる仕組みとなっており、常勤、非常勤、臨時と形は違っても区直接雇用の職員による責任ある布陣となっており、いわゆるボランティア任せを感じさせるような点はありませんでした。  事業主体は、江戸川区は教育委員会、豊島区は子ども家庭部、本市で言うところのこども未来局で、事業の立ち上がりや円滑な運営面で教育委員会主体の江戸川区のほうがうまくいっておりました。江戸川区では、教育委員会の熱血担当者が、学校は教師のものではなく区民のものであるなどの意識改革を当初から学校や地域にスムーズに徹底できたのに対し、豊島区では、学校側から教育現場に福祉を持ち込むな、空き教室と言うな、一時的余裕教室と言え、アコーデオンドアによる立入禁止等、かなりの抵抗と思えるようなものがあり、子ども家庭部の担当者等が無意識のうちに口にされていた、私たちは店子、間借り人、足のつま先から入る覚悟で辛抱強くやるなどの言葉に象徴されるように、立ち上げに相当な苦労をされていることが伺えました。  こうした点を踏まえ、お尋ねいたします。放課後子ども教室推進事業について、教育委員会が事業主体となっている割合は、政令指定都市と東京23区ではどういう状況になっていますか。本市の事業主体は、こども未来局ではなく教育委員会のほうがうまくいくのではありませんか。運営体制としてもっと十分な人的配置を行う必要があるのではないでしょうか。  以上で2回目の質問を終わります。 78 ◯副議長(久保 浩) 渡辺経済振興局長。 79 ◯経済振興局長(渡辺正光) 雇用、就業施策推進本部を設置し、施策の推進プランを策定する必要があるのではないか、また具体的な目標を設定すべきではないかという、具体的な御提案でございます。  雇用、就業に関する取り組みにつきましては、関連する施策を整理、体系化するとともに、総合的、効果的に進めていくため、議員御提案のプランのような、本市の基本的な考え方を取りまとめることが必要であると考えております。このため、本市における雇用や就労に関する施策につきまして情報交換を行うとともに、連携協力を図っていくため、関係部局による庁内の協議組織について検討してまいりたいと考えております。この庁内協議組織におきまして、各局の雇用、就労関連施策に共通するテーマや課題について意見交換や協議を行う中で、目標設定などを含めて検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 80 ◯副議長(久保 浩) 菅原財政局長。 81 ◯財政局長(菅原泰治) 登録業者の全分野に企業の社会的責任、社会貢献の視点を導入することにつきましては、本市では、社会貢献優良企業制度を設け、障がい者雇用、次世代育成、男女共同参画支援などについて、一定の基準を満たす企業に対し工事、委託、物品購入等、すべての分野で入札の指名や見積もりへの参加の機会を可能な限り拡大するなど、配慮を行っているところでございます。また、同制度の受け付けをこれまで2年に1回といたしておりましたが、本年度から毎年受け付けるよう改善したところでございます。今後とも、社会貢献優良企業制度のあり方を含め、入札制度の全体的な見直しを行う中で検討してまいりたいと考えております。  次に、高齢者や障がい者、母子家庭の母等の支援団体との契約の促進策につきましては、今般の地方自治法施行令の改正の趣旨も踏まえ、保健福祉局を初め、関係各局と十分協議しながら、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 82 ◯副議長(久保 浩) 阿部保健福祉局長。 83 ◯保健福祉局長(阿部 亨) 高齢者、障がい者への優先的な随意契約に向けた取り組みについてお答えをいたします。  まず、高齢者につきましては、福岡市シルバー人材センターとの随意契約が可能ですので、本市各事業部局に対して積極的な業務発注の働きかけを行っております。また、障がい者につきましては、平成14年度から本市独自のローカルルールといたしまして、障がい者施設や作業所からの物品購入につきましては160万円以下、役務の提供につきましては100万円以下の範囲内で各所管課が施設等と直接随意契約ができる制度を実施しているところでございます。今後とも、各局に対して、施設等への発注について働きかけを行うとともに、商品開発の研修会や授産製品コンテスト、民間企業と共働でのオリジナル商品の開発など、商品力アップへの支援に努めてまいります。地方自治法施行令の改正を受けました対応やローカルルールの整備につきましては、財政局と協議しながら検討してまいります。以上でございます。 84 ◯副議長(久保 浩) 大場こども未来局長。 85 ◯こども未来局長(大場美徳) 母子、寡婦福祉団体におきましては、地方自治法施行令の規定に基づきます随意契約の実績はございませんが、母子及び寡婦福祉法の規定に基づき、母子家庭の母等の就労促進の観点から、現在、市民会館など3施設において売店の設置を許可しているところでございます。  次に、放課後子ども教室推進事業でございますが、お尋ねの教育委員会が事業主体となっている割合につきましては、政令指定都市では17市のうち11市でございまして65%、東京都では23区のうち20区で87%となってございます。  次に、事業主体につきましては、本市では子どもに関する施策を一体的に推進するためにこども未来局を設置しております。新・放課後等の遊び場づくりモデル事業につきましても、他の子ども施策との連携、調整を図りながら、こども未来局が中心となって取り組んでまいりたいと考えてございます。なお、円滑に事業を進めるためには、学校現場はもとより、教育委員会の主体的なかかわりが不可欠でありますので、今後とも、教育委員会とは密接に連携しながら事業に取り組んでまいります。  次に、運営体制についてでございますが、子どもたちや地域、家庭にとってよりよい事業にしていくためには、運営体制については十分検討することが必要であると認識してございます。今後、新・放課後等の遊び場づくりモデル事業において行う事業内容や手法の検証・検討結果を踏まえ、適切な体制づくりを行ってまいりたいと考えてございます。以上でございます。 86 ◯副議長(久保 浩) 中島総務企画局長。 87 ◯総務企画局長(中島紹男) 雇用、就業支援の取り組みに関しまして、指定管理者の選定に当たってのお尋ねでございますが、指定管理者の選定基準につきましては、それぞれ公の施設の設置条例で定められておるところでございますが、指定管理者の指定の手続に関するガイドラインにおきまして、標準的な基準を具体的に示しております。このガイドラインでは、指定管理者の選定基準については、団体の安定性、継続性、団体運営の透明性、公平性などを基本とするとともに、公の施設としての性格上、高齢者、障がい者の雇用への配慮などについても、審査の1項目として設定するよう努めることとし、各局への周知を図っておるところでございます。  御指摘がございました若年者、母子家庭の母、寡婦の雇用への配慮につきましても、個々の公の施設の設置目的等によっては審査項目の1つとすることが望まれる場合もあると考えられますことから、所管局の選定における審査項目、審査結果について現状を把握し、選定基準のあり方について検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 88 ◯副議長(久保 浩) 山田教育長。 89 ◯教育長(山田裕嗣) 放課後の遊び場づくり事業についての御質問でございますが、教育委員会は学校を所管し、学習指導や生徒指導など学校教育における児童への指導を行っております。児童を対象とした放課後の遊び場づくり事業における教育委員会の立場と役割につきましては、子どもたちが身近な地域の中で安全で安心して遊びや活動ができる場や機会の提供の充実を図ることであり、運動場や体育館などの施設を授業に支障のない範囲で積極的に提供するなど、円滑な事業の推進に向けて、こども未来局と緊密に連携をしてまいります。以上でございます。 90 ◯副議長(久保 浩) 尾花康広議員。 91 ◯33番(尾花康広) 働くということは、本来、あらゆる人々がみずからの意思に基づき、自己実現の1つの方法として取り組み、生きがいや生きるために必要な対価を得ることであり、人間の基本的権利の1つを成すものだと思います。現在、非正規雇用の増加や若年層の高い失業率、団塊の世代の大量退職など、労働市場はさまざまな問題を抱えておりますが、だからこそ、仕事でのつまずきや結婚、出産等による職業生活の中断、倒産やリストラ等による離職などを経験しても、学びや職業訓練を受けることを通じて、何度でもチャレンジして職業につくことができるように、キャリア形成支援のための環境整備を行うことがとても重要だと思います。市民1人1人が働くことを通じて、その意欲と能力を発揮し、社会とのつながりを深め、豊かな市民生活を営むことができれば、ちまたを震え上がらせた東京・秋葉原通り魔殺人事件などに見られるような、社会全体を覆う閉塞感から起こる無差別凶悪犯罪などの防波堤の一助になると確信しております。  本市は、平成20年6月、政策推進プランを策定しておりますが、雇用施策に関して正面から触れられているのは、政策目標13の「企業・創業や企業立地を促進し、多様な雇用の場を創造する」のみであり、その内容として記載されていることは、ホームページ、福岡市しごと情報を開設し、情報の一元化を図ったこと、情報関連産業分野等の求職者に対して、インターネット上で就職情報を提供していること、市立青年センターに若者相談窓口を開設し、無業の若者の職業的自立を支援していることであり、最後のところで、「このような若者に加え、高齢者、女性などの就労困難者への支援が課題となっています」とあり、高齢者、女性などの就労困難者への支援に対して、本市は政策推進を進める上での課題と明確に位置づけております。本市として、雇用、就業支援施策にこれからどう真剣に向き合うおつもりなのか、市長の御所見をお伺いいたします。  放課後子どもプランの取り組みについては、運営体制を外郭団体に委託している名古屋市のトワイライトスクール事業を視察してまいりました。当事業は、放課後などに学校施設を使って、子どもたちが学年の異なる友達と自由に遊び、学び、体験活動などに参加し、また、地域の人々と交流することを通じて、自主性、社会性、創造性などをはぐくむことを目的に、平成20年4月1日現在、262校中227校で実施されておりました。運営を任されている名古屋市の外郭団体である財団法人名古屋市教育スポーツ振興事業団は、平成10年4月に、スポーツ振興の前に教育という文字を追加し、教育スポーツ振興事業団と名称を改め、これまでのスポーツ・レクリエーション事業にトワイライトスクールなどの学校開放事業、野外教育事業を加え、さらには平成18年4月から学校給食事業を市から受託し、各種事業を積極的に展開しておりました。  本市では、第2次外郭団体改革実行計画の中で、統合、業務再編を含め、あり方を検討する団体として財団法人福岡市スポーツ振興事業団と財団法人福岡市体育協会が挙げられており、両団体とも補助金収入が減っていく中で、将来にわたって市から指定管理者として、スポーツ施設の管理の委託を受けることができる保証はなく、法人として経営が成り立つためには、もっと事業の工夫改善を図るべきであり、これまでの学校施設開放事業の受託などの実績を生かすべきです。  そこでお尋ねいたします。放課後子ども教室推進事業については、財団への委託も含めての事業手法の検討を行ってはいかがですか。また、財団は事業の受託を検討してはいかがでしょうか。  運営体制で十分な人員配置を行うには、地域の人材力を高める工夫が大切であり、高齢者の豊富な経験や知識を活用しない手はありません。特に団塊世代の大量離職というこの時期、シニア世代がサービスの提供者、すなわち社会を支える側になっていただくことが大切であり、ボランティア、NPO、コミュニティービジネスなど、いずれの形にせよ高齢者の社会参加を加速させる取り組みが必要です。今こそ、我が会派がかねてから提案している千葉県我孫子市のシニアインターンシップ事業の手法を本市も早急に取り入れるべきだと思いますが、その導入予定はどうなっていますか。  財政、資金面で厳しいのであれば、千葉県市川市で実施され、富山県小矢部市などで検討されている市民税1%支援という、市民が支援したいと思う市民活動団体を選んで市に届けると、納めた市民税の1%相当額がその団体に補助金として交付される仕組みがにわかに注目を浴びています。本市にはそれに匹敵する、平成20年1月1日から始まった寄附金の税の優遇措置、ふるさと納税制度の福岡市版ふるさと福岡応援寄附があると思います。寄附金の出し手側と受け手側のマッチング、必要な資金を必要な対象に届けるための仕組みの構築をもっと工夫改善し、制度のメリットを大々的にPRし、潤沢な寄附金制度の基盤を本市もこの時期に確立すべきであると思いますが、いかがでしょうか。  市長は、政策推進プランにおいて、政策目標の1番目に「子どもがたくましく生きる力、夢や希望を持って育つまちとなる」を挙げられています。とにかく、あらゆる知恵と手だてを総動員し、事業手法が直営や外郭団体、NPOへの委託などいずれの方法になったとしても、子どもたちのために、この1点で、全国的におくれている放課後子どもプラン事業を一刻も早く全市的に展開していただきたいと念願しております。  最後に、子どもの放課後施策の取り組みの推進に対する市長の御決意をお尋ねし、私の質問を終わります。 92 ◯副議長(久保 浩) 大場こども未来局長。 93 ◯こども未来局長(大場美徳) 放課後子ども教室推進事業の事業手法についてでございますが、本年から3年程度かけまして実施いたします新・放課後等の遊び場づくりモデル事業の中で、外郭団体やNPOなどの他の実施主体への委託も含め、効果的な事業手法について検証・検討してまいりたいと考えてございます。以上でございます。 94 ◯副議長(久保 浩) 陶山市民局長。 95 ◯市民局長(陶山博道) 福岡市スポーツ振興事業団で放課後子ども教室推進事業の受託を検討してはどうかとのお尋ねでございます。  福岡市スポーツ振興事業団は、スポーツ施設の管理運営や市民スポーツの普及振興を目的とする事業を推進しておりますが、放課後子ども教室推進事業は、子どもの健全育成のための新たな分野の事業となりますので、名古屋市等他都市の財団の状況について調査するとともに、今後、効果的な事業手法についての検討を行うこども未来局と十分に協議してまいりたいと考えております。  次に、かねてから御提案いただいておりますシニアインターンシップ事業につきましては、我孫子市の調査もさせていただきましたが、シニア世代の方が社会参加されるきっかけとなる有意義な取り組みであると考えております。本市におきましても、来年度から団塊の世代等を対象に、希望するNPO団体の活動を体験していただくNPOボランティア体験事業を福岡市NPOボランティア交流センターあすみんで実施したいと考えております。そのため、今年度中にモデル事業を実施することとしており、現在その準備を進めているところでございます。以上でございます。 96 ◯副議長(久保 浩) 菅原財政局長。 97 ◯財政局長(菅原泰治) ふるさと納税制度を活用した寄附金制度の基盤確立方策につきましては、現在、本市では子どもの健全育成などに活用する福岡市子ども未来基金やNPO法人の公益活動に対して助成する福岡市NPO活動支援基金を初め、さまざまな施策を推進するために設置している10の基金等において寄附を受け入れておりまして、寄附者の意向や寄附の充当先について、きめ細かく対応できるよう工夫しているところでございます。また、リーフレットや専用ホームページを作成し、寄附者が希望に沿った基金を容易に選択できるよう、各基金の目的や使途を説明するとともに、税の優遇措置や寄附金の納入手続などをわかりやすく紹介し、PRに努めているところでございます。今後とも、より魅力的かつ効果的な仕組みとなるよう、他団体の取り組み事例も参考としながら検討してまいるとともに、ふるさと納税制度の着実な定着を図るため、さまざまな機会をとらえて積極的にPRを行ってまいります。以上でございます。 98 ◯副議長(久保 浩) 吉田市長。 99 ◯市長(吉田 宏) 社会不安を引き起こす原因というのは、さまざまあると思いますけれども、秋葉原の事件を例に出されましたが、まさに雇用の不安というのが一番社会不安を引き起こす大きな原因だと思います。特にそういう不安は、御指摘のように、弱者のところに一番しわ寄せが行くわけで、そこに対して行政がどれだけの就職の機会、雇用の機会を掘り起こせるかということは、まさに今喫緊の課題だろうと考えています。先ほどのハローワークに行ってちょうだいみたいな、そういう対応をしているとはちょっと思いませんけど、感覚的には市の仕事ではないというようなもし意識があれば、これはやはり職員全体で改めていかなければいけないと思いますし、その努力は実際にしていると思います。  具体的に全庁的な組織をということで、これはかなり私ども研究しているつもりで、意識改革も含めて全庁的な取り組みが本当に必要だと思っています。それはなぜかというと、やはり具体的に就職先を持っていないと、幾らマッチングをするといってもなかなか、相談に応じるというレベルだけでは実効性が上がらないので、各局全庁的に就職先をもっと掘り起こしていくといったような意識、それから仕組みづくりが大事だと思っていますので、これは御指摘のように、全庁挙げて取り組むということもやってまいりたいと思います。ほかに物品の購入の契約のあり方など、これは工夫をしておりますけど、さらに精度を上げていきたいと思いますし、大阪がそんなに先進的だということはちょっと私も知りませんでしたので、その大阪市の例も含めて研究もしていきたいと思います。  それから2つ目の、子どもの放課後の取り組みですが、御指摘ありましたように、地域ぐるみで子どもを育てるといった観点からもこの事業は大変大切だと思っておりますし、江藤議員のほうからも、今議員も同じような御指摘がございましたが、かなり実効性は上がっているんではないかと、私どもも同じように考えております。  この事業、今放課後の遊び場モデルづくりということで、モデル的に現在始めていくということで、ただ、やはり答弁申し上げておりますように、かなり綿密といいますか、子どもたちを預かるということですから非常にデリケート、場合によってはケース・バイ・ケースで非常に校区ごとで違う可能性もありますし、地域の実情に合った形がどういったものがいいのかというのは、少し慎重というのは、これはスピードを遅くしたいと言っているわけじゃなくて、非常に多面的に検証していく必要があるということを、私どもとしては今の段階では考えておりまして、しっかり検証した中で、議員も言われました、さまざまな団体であるとか、財政的な活用であるとか、そういったことを研究して、早く方向性を見定めて、子どもたちのためにしっかりとした遊び場、放課後の居場所づくりということをやっていきたいと思っております。 100 ◯副議長(久保 浩) この際、休憩し、午後2時50分に再開いたします。                                         午後2時39分 休憩                                         午後2時52分 開議 101 ◯議長(川口 浩) 休憩前に引き続き会議を開き、一般質問を継続いたします。熊谷敦子議員。 102 ◯38番(熊谷敦子)登壇 私は日本共産党市議団を代表して、原油高騰の影響による漁業者、農業者への支援について、学校の教室冷暖房について、西部市場の跡地利用について、以上3点にわたって質問を行います。  まず、原油高騰による漁業者、農業者への支援についてであります。  投機マネーの影響による原油や穀物の価格の高騰が、国民の暮らしと営業に大打撃を与えています。特に生産コストに占める燃料代や飼料代などの割合の高い我が国の農業や漁業などは存亡の危機にさらされています。漁業においては燃料の値上がりが経営を大きく圧迫し、このままの事態が続けば漁業が壊滅的な打撃を受けることは必至であります。また、農業においては原油と穀物の価格高騰、それと連動した燃油、肥料価格の高騰は農業経営に大きな打撃を与えています。  本市においては、漁業者向けの軽油の価格が2005年4月から比べると2008年8月現在で約2.5倍の価格となり、経費に占める燃料費の割合が24.7%から40%になっているのであります。漁業者は漁船を減速させたり、集魚灯の電気の明るさを減らしたりするなどコスト削減に努めていますが、燃料価格の高騰には追いつけず、漁に出れば赤字になるなど休漁する漁業者が相次いでいます。一方、施設園芸を行う農家では、A重油価格が2005年度と比較すると約1.7倍と高騰となり、施設園芸で冬場の12月から2月にかけて加温を必要とするバラやトマトなどを育成する農家では、経営に占める燃料費の割合も2005年度と比べて1.7倍と上昇しています。このような燃油の高騰は漁業者、農業者の経営を圧迫し、まさに死活問題となっています。  そこでお伺いいたしますが、このような漁業者、農業者の実態について、市長はどのように認識しておられるのか、また、本市において実態調査を行ったのか、お伺いいたします。  質問の2点目は、国と本市の漁業者、農業者への支援策についてであります。  燃油の高騰により苦しむ漁業者は全国で一斉休業を行うなど窮状を訴えてきました。その声を受けて、政府は本年7月28日、支援策を燃料高騰水産業緊急対策としてまとめました。今回の直接補てん策は80億円の新設される省燃油実証事業です。これは、省エネのための器具の購入などの経費がかかる上、10%の燃油の削減が義務づけられるなど、漁業者には使いにくい支援策になっています。また、農業分野においては国の直接支援策はありません。融資制度についても、国も本市も農漁業者のための緊急制度は創設したものの、本市においてはほとんど利用されていません。  そこでお尋ねしますが、市長はこのような国の制度、市の制度で十分だと思っているのか、市長の御所見をお伺いいたします。  質問の第2は、学校教室の冷暖房についてであります。  近年、地球温暖化やヒートアイランド現象により、本市でも夏季の気温は上昇を続けています。ことしは梅雨が例年に比べて短く、7月初旬より猛暑日が連日続き、昨年以上の暑さでした。夏場、子どもたちは毎日35度を超す教室で1日のほとんどを過ごさなければなりません。西区にある学校で行った、7月1日から17日までの昼休み、2階から4階までの教室の温度調査によりますと、7月1日が29度台で、あとはほとんど31度から33度、7月8日は34度、7月17日は35度という暑さであります。子どもたちが、このすさまじい暑さの中での授業に耐えるのは並大抵ではありません。うだるような暑さの教室で勉強どころじゃない、暑くて気分が悪くなった、何とかしてというのが生徒の声です。また、集中力がなくなり、学力低下の一因になると保護者からは心配の声が上がっています。このような暑さの中で学習をしなければならないことは、もはや放置できない問題であり、教室の温度改善は喫緊の課題だと思うが、教育長の御所見をお伺いいたします。  また、我が党はこれまで学校の教室の温度調査を再三にわたって要求してきました。それに対して、やっとあなた方は重い腰を上げ、4年前から一部の学校に限定してですが、教師を対象にして教室の温度調査を開始して3年間行いました。その結果、教室が、暑いと非常に暑い、を合わせると8割以上を占め、授業への影響も、授業にならなかった、少しは影響があった、を合わせても半数以上が教室の温度による授業の影響を示しています。この調査に基づいて2006年度と2007年度、教育委員会はブラインド、扇風機、緑のカーテンという3種類の暑熱対策を実施して、隣接する教室を対象として3つの対策の効果を比較、検証しました。  そこでお尋ねしますが、この実証結果はどうだったのか、それを受けて今後どのような対策を行うのか、今後の計画をお伺いいたします。  質問の第3は、西部市場の跡地利用についてであります。  本市が統合、移転しようとしている西区の石丸にある西部市場は昭和49年に開設されました。その開設に当たっては多くの地権者を初め、地元の関係者の並々ならぬ努力がありました。今回の移転に伴う跡地利用については、地元からは、引き続き公的な施設にしてほしいということが検討され、7月24日には吉田市長に地元の要望が出されています。  そこで、跡地利用について地元からどのような要望が出ているのか、それについてどのように考えているのか、市長の御所見をお伺いいたします。また、あわせて市有地の跡地の利用活用については公的利用が優先されるべきではないかと思うが、御所見をお伺いいたします。  2問目からは自席にて行います。 103 ◯議長(川口 浩) 谷口農林水産局長。 104 ◯農林水産局長(谷口芳満) 原油高騰の農業、漁業への被害の実態の調査の件でございます。  農業におきましては、本市農業の中核を成している野菜や花などのハウス栽培において、冬季加温用のA重油が大幅に値上がりしております。また、漁業におきましても漁船の燃料となる軽油が大幅に値上がりし、漁家における燃料費の割合が高くなっております。この燃油価格の高騰を農産物、水産物価格へ転嫁することが困難なことから、農家、漁家の経営は大変厳しい状況にあるということを十分認識いたしております。実態の調査につきましては、農業におきましては農協を通じ、燃油価格や使用量、その他農家の経営状況について聞き取りを行うとともに、省エネ設備等の導入について対象農家の意向調査を行いました。漁業におきましては漁協を通じ、燃油の価格や使用量、出漁日数や漁家の経営状況について聞き取りを行うとともに、昨年12月及び本年7月に国が発表した燃油高騰緊急対策に対する取り組みの意向を確認したところでございます。  次に、国の制度、市の制度について、これで十分であるかという問いでございます。  農業、漁業を対象とした原油価格高騰対策として、国、県、市、それぞれ現在までに可能な限りの施策に取り組んできております。しかしながら、今後も原油価格の大幅な下落は見込まれないことから、国においても緊急総合対策に取り組む意向であり、本市におきましても国の動向を見ながら農家や漁家の実態把握に努め、本市農業、漁業に必要な施策に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、西部市場の跡地利用についてでございます。  西部市場移転後の跡地利用につきましては、ことしの7月に石丸校区自治協議会より陳情書が提出されており、内容といたしましては、1点目に、跡地活用について地元の意向が十分考慮されるよう協議の場を創設し、地元の合意のもとで進められること、2点目に、平成25年度の都市高速道路全面供用に伴う環境悪化への対応策や、災害時避難場所としての機能を持つ公園などの緑地形成を主に跡地を検討することが上げられております。本市といたしましては、今後、地元の御意見なども伺いながら、まちづくりの観点や周辺環境に配慮した跡地利用を検討してまいりたいと考えております。  次に、公的利用が優先されるべきという御質問でございますが、中央卸売市場につきましては、特別会計で運営されておりまして、新市場用地取得に当たりましては、現3市場用地を売却し、その財源とすることといたしております。なお、公的利用として行政需要がある場合には有償所管がえによる処分を行うことといたしております。以上でございます。 105 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 106 ◯教育長(山田裕嗣) 学校の冷暖房についてのお尋ねでございますが、夏季における教室環境については、平成17年度から19年度にかけて教室温度調査や緑のカーテン及び扇風機を用いた暑熱対策の有効性の検証を行ってまいりました。扇風機の検証では皮膚温の低下を認めたり、教職員のアンケート調査により、授業に集中できるなどの有効性を認められたこと、及び環境への影響や経済性においてクーラーに比べすぐれていることから、今年度は普通教室400教室に6月末までに設置を完了し現在使用されているところでございます。また、緑のカーテンは天候の影響を受けて枯れたり、気温や湿度などの客観的評価においては明らかな有効性は確認できませんでしたが、市庁舎での試行において室温が低下する傾向が認められました。そこで今年度は扇風機と併用した場合の効果を見るため、現在8校にゴーヤを植え、状況を見ているところです。なお、現在設置した扇風機の効果について調査を行っており、その結果を見ながら段階的に整備を進めていくように考えております。以上でございます。 107 ◯議長(川口 浩) 熊谷敦子議員。 108 ◯38番(熊谷敦子) まず漁業者、農業者への支援の問題です。  局長は経営は厳しいと認識していると言われました。農協や漁協などを通じてしか調査をしていない、実態をまともに調査していないんではないですか。とんでもない話です。現在、漁業者にとって燃油価格が高騰してもその値上がり分を水産物の価格には転嫁しにくい仕組みになっています。それは水産市場が買い手市場だからです。私は、ある漁業者の方にお話を伺いました。軽油が3倍になったので今は遠くに出ないで近くで漁をしている、しかも1日置き、その上、油代に加えて網や発泡スチロールも上がったが、とってきた魚の価格がただ同然、これでは燃料がかかるだけで赤字、一家心中ですよと本当に切実に訴えておられました。一方、農家でもバラなど施設園芸ではビニールハウスの暖房に油を多く使うので、バラの育成をやめてトルコキキョウとストックなどの花にかえたところも多くあります。ある御夫婦は、近所の農家で油より電気のほうが安いのでエアコンに切りかえたところもある、その整備の費用は1,000坪あるので10台で1,000万円、ここでは、もう農業をやめた家もある、うちは農業しかできない、ほかの仕事はできないので、このまま農業を続けるしかないが、子どもには継がせられないと話されています。局長、本市の農漁業は原油高騰の影響で極めて深刻な状態にあり、本格的な調査をすべきではないかと思うが、答弁を求めます。  次に、具体的な支援策についてであります。
     局長は国の動向を見てとかいろいろ言われました。あなた方がつくった新たな融資制度の利用状況はどうなっていますか。農業は2件の申し込み、漁業はゼロ件ではありませんか。使えない制度をつくってもしようがありません。多くの農漁民はお金を借りようとも借りる体力が残っていないのです。今、現場で求められているのは直接補償なのです。本年8月1日、福岡市漁協は市長に緊急申し入れを行いました。申し入れの中身は、漁業者みずからの責任でない燃油価格の急騰に対する直接補てん措置や、漁業者にとって使い勝手のよいものになる休業補償、税制の見直しというものです。この直接補てん措置については、自治体によっては既に始めたところも生まれています。例えば、高知県土佐清水市では、燃油高騰で打撃を受けている漁業者を対象に燃料1キロリットル当たり3,000円補助しています。また、宮城県石巻市ではハウス園芸農家に対しても、ことしの9月から来年3月まで使う燃油について1キロリットル当たり1,000円を補助することを決めています。  そこで、本市においても漁業者、農業者への原油高騰への直接支援策が必要だと思いますが、御所見をお伺いします。  次は、なぜこのような事態が生まれているのかということです。  原油の高騰は需給関係でなく、投機マネーによって増幅されているということであります。経済産業省が発表した通商白書によれば、ことしの5月時点の原油価格125.5ドルのうち58.8ドルが投機資金の押し上げ分であります。実に46%が投機マネーによって価格がつり上げられています。このような価格の押し上げは漁民や農民が行ったものでもなく、彼らに何の責任もありません。この間我が党が漁業団体と懇談した際、漁業者は投機マネーによる被害者、もはや漁業者の自助努力の限界を超えています、政治の力で何とかしてほしいと要望されました。我が党は政府に対し、国際的な協調の力で投機マネーを規制するための実効ある行動に踏み出すこと、漁業者、農業者などに対する直接補てん措置をとることを申し入れたところです。  そこで、このような原油高騰は政治の責任で解決しなければならないと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。  次に、教室の冷暖房問題であります。  教育長はいろいろ答弁をされましたが、全く現場の深刻さがわかっていません。あなたは1日学校の教室で過ごしたことがありますか。ある中学校では、暑さのため女子生徒は制服でなく体操服に着がえて授業を受けています。この7月、私たちが学校ウオッチングで訪問した南区のある学校では、校長先生が、朝9時で既に39度です、これじゃあ余りにも生徒がかわいそうとおっしゃっていました。また、ある学校では、余りにも教室が暑いため、席がえをするとき少しでも涼しいところをと窓際の席をみんなで取り合っています。また、ある小学校では、猛暑の中、気分が悪くなり、そのまま保健室に運ばれ、熱中症の一歩手前にまでなった子どもが数人いたそうです。学習ができないどころではない、まさに命にまでかかわるような暑さの状況です。  そこで、教育長はこのような児童生徒の状態を放置していいと思っているのか、お伺いいたします。  質問の2点目は、教室の温度調査結果と今後の計画についてです。  教育長は、今後の計画については扇風機が効果があるとして整備していくと言われました。あなた方の調査結果では、扇風機の効果による教室の温度については有意な改善を認めなかったと出ているではないですか。つまり扇風機は教員の皮膚温をわずか0.3度低下させることによって主観的評価が改善されたというものであり、すなわち教室の温度は下がっていないということであります。扇風機を使ったとしても、実際の教室温度は32度から33度と依然高い状態です。  そこでお尋ねしますが、これは文部科学省が出している最も望ましい温度は、夏季では25度から28度とした学校環境衛生の基準にも違反しているのではありませんか。答弁を求めます。  また、教育長は、環境や経済性のことを考えれば、エアコンより扇風機のほうがよいと言われました。いろいろ難癖をつけて何がなんでも子どもたちに我慢を押しつけようとしています。エアコンをすべての教室に整備した京都市では、このことをきっかけに環境教育に取り組み、正しいエアコンの温度の使い方の設定の仕方や地球温暖化などを子どもたちが学んでいるそうです。こういう取り組みをすれば子どもたちの環境に対する認識が高まり、環境問題の改善につながるのではないでしょうか。今や教室冷暖房は常識となりつつあります。これまで千葉市、名古屋市、京都市、さいたま市で冷暖房が設置され、来年川崎市が冷暖房を設置します。これらの市では子どもたちが、涼しい、これで授業に集中できると歓迎しています。さいたま市は全校でエアコンをつければ60億円かかりますが、10年間のリース方式を採用して毎年6億円の負担だそうです。本市でもさいたま方式で全教室に冷暖房を整備すれば、毎年約7億円でできます。  そこで、すべての学校に早急に冷暖房の設置を行うべきではないですか。御所見を伺います。  次に、西部市場の跡地利用についてです。  局長は、今のところ白紙の状態と言われました。市民の皆さんの要望に対する市の方針については深く触れられませんでした。あなた方がつくった青果市場再編・再整備事業検討報告書では、処分に当たってはまちづくりの観点から検討するとともに、周辺住民の理解を得ることが必要としています。ならば、周辺住民の理解を得ることを何よりも優先させなければなりません。なぜ地域の住民の方が協議の場を求めておられるのか。この地域は2013年度、都市高速道路福重ジャンクション全面供用開始に伴って通行車両が増加し、騒音、粉じん、排気ガスなどの公害が今以上に発生することか予想され、環境悪化を心配されているからです。また、住民の皆さんが心配しているように、もし民間マンションに売却されるようなことになれば、どのようなことが起きるか。石丸小学校ではこの間児童数が増加しており、教室は既に余裕がなく、来年度はプレハブで対応しなければならない状態です。そこに児童数がふえれば、教育環境はさらに悪化するのであります。したがって、このような住民の懸念を取り除くためにも早急に協議会を設置し、住民の要望にこたえるべきではないかと思うが、御所見をお伺いいたします。  質問の2点目は公有地の利用についてです。  局長は公有地の利用についていろいろ言われましたが、住民の財産である公有地の利用は公共利用が優先されるべきです。ところが、あなた方はこれまで財政難を理由にして大切な市民の土地を民間に売ってきました。例えば、早良消防署跡地は高齢者の福祉施設をつくってほしいと議会に署名が提出され、市民の皆さんが粘り強い運動を行ってきたものの、市は民間に売却し、今はマンションが建設されています。また、博多消防署跡地は民間売却の方向で入札した結果、パチンコ店経営の会社が落札したのであります。いずれも一定の敷地面積があった貴重な土地でした。こんな貴重な市民の財産を平気で民間に売却してきたのがあなた方です。したがって、西部市場の跡地は市民の貴重な財産であり、民間に売却すべきではないと思いますが、答弁を求めます。  以上で2問目を終わります。 109 ◯議長(川口 浩) 谷口農林水産局長。 110 ◯農林水産局長(谷口芳満) 原油高騰の調査をすべきではないかという質問でございます。  今までの調査におきましては、主に農協、漁協を通じ調査を行ってきたところでございますが、その際には農協、漁協ともに直接農家や漁家と接しながら実情把握に努めてきたところでございます。市といたしましても、今後とも、農協、漁協との連携強化を図るとともに、機会あるごとに直接農家、漁家の声を聞くように努めてまいりたいと、こう考えております。  次に、市の直接支援策が必要ではないかという御質問でございます。  原油価格に対する補てんにつきましては、国において省エネに取り組む漁業者に対し、価格上昇分の一部補てんに取り組まれることとなっており、また、農業におきましても価格上昇分の一部補てんを検討されていることから、今後、国の制度の活用を図ってまいりたいと考えております。あわせて、省エネ設備等の導入や所得向上につながる取り組みにより、漁家、農家の経営改善に努めてまいりたいと考えております。  次に、政治の責任で解決すべきものではないかという御質問でございます。  今回の原油価格高騰につきましては、世界経済の動きの中で起こるグローバルな問題であることから、農業者、漁業者、個々の経営努力では解決できない問題であり、これらの事態に備える国としての対策が必要であると考えております。このため、国に対してもさらなる積極的措置を講じられるよう要望するとともに、市といたしましても農業、漁業経営の安定に必要な施策に取り組んでまいります。  次に、西部市場の跡地について協議会を設けるべきと考えるとの質問でございますが、住民の御意見を伺う場につきましては、西部市場跡地の処分を円滑に進めるためにも必要と考えており、今後必要に応じて住民の方々の意見を伺う機会をつくってまいりたいと考えております。  次に、民間に売却すべきではないということでございますが、先ほども申し上げましたとおり、新市場用地の購入に当たり、その財源とすべく現青果市場の跡地については処分するというような方針になっております。西部市場の跡地処分につきましては、行政需要の調査を進めるとともに、民間への売却など総合的に検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 111 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 112 ◯教育長(山田裕嗣) 教室の冷暖房についてのお尋ねでございますが、まず夏季の教室温度につきましては、国が定めた学校環境衛生の基準によりますと30度以下が望ましいとされております。温度のピークとなる時期は夏季休暇に当たりますが、7月の終わりから9月初旬にかけて一部温度が高い時期がございます。そのような場合には水分補給を指導していくことで対応してまいりたいと考えております。  また、夏季の教室の暑熱対策といたしましては、皮膚温低下などの扇風機の直接的な効果のほか、クーラーと比べ地球温暖化の原因の1つと言われております二酸化炭素の排出量が少なく、消費電力が約35分の1で済むという効果も勘案し、扇風機を設置することにしたところでございます。現在、設置校に対し扇風機の効果の調査を行っており、現時点での回収結果を見ますと、涼しい、学習効率が上がった、全教室へ設置してほしい、という意見が多く上がっております。残る教室につきましても、この調査結果を踏まえ、段階的に整備してまいりたいと考えております。以上でございます。 113 ◯議長(川口 浩) 熊谷敦子議員。 114 ◯38番(熊谷敦子) まず、原油の高騰による漁業者、農業者への支援策についてであります。  局長は、実態の調査はもうこれ以上しない、補てん策については国の施策があるので市の補てん策は必要ないと本当に冷たい答弁です。140万の人口を擁する本市は水産資源の豊かな博多湾や玄界灘が広がり、多くの魚介類や海藻類に恵まれ、生産地と大消費地が共存しています。こうした政令市は全国にも珍しく、福岡市の水産業の大きな特徴になっています。また、農業でも同様に大消費地を抱え、県下でも野菜や花を中心とする有数の産地になっています。魚がうまい、食べ物がおいしい、これが博多の魅力です。  一方で現在の漁家戸数は668戸、1990年と比べて259戸減少し、農家戸数は2,815戸、1994年と比べても1,573戸も減るなど、いずれも大幅な減少傾向にあります。あなた方は地産地消の推進を言われるが、原油高騰で苦しむ農業者、漁業者に直接の補てんをすることなく放置すれば、ますます漁業者、農業者の減少を加速させ、壊滅的な影響を受けることは避けられません。人工島など無駄な大型開発への税金投入をやめて、市民の暮らしを直視し支えるためにこそ税金を使うべきです。あなた方が人工島に企業を誘致するためにつくった1社当たり10億円をばらまくための企業立地交付金制度をやめて農漁業者への直接支援をやるべきです。市長は漁業者、農業者への本市独自の直接補てん策をつくるべきではありませんか。あわせて国には直接支援策の拡充を求めるべきではないか、御所見を伺います。  次に、教室冷暖房問題についてです。  教育長は、冷暖房の整備についてはかたくなに拒否されました。子どもたちに我慢せよという態度は本当にひどい。私がこれまで述べてきたように夏の教室の暑さは子どもたちの我慢の限界を通り越しています。以前の社会状況と違って、今や冷暖房設備がないのは学校くらいです。何とかしてほしいという子どもたちの願いは切実であります。子どもたちの教育環境を整備するのが教育長の責任ではありませんか。市長、教育長がこのような態度に終始しているのはあなたが予算をつけないからではないですか。あなたは公約で、子どもの視点を都市づくりの基本にとか学力の向上を図ると言われていますが、あなたは反対に学力の低下を導くようなことをやっているのです。  そこで、今こそ全教室に冷暖房を整備するために市長は予算措置をすべきではないか、答弁を求めます。  最後に、西部市場の跡地利用についてです。  局長は皆さんと協議の場を持つように言われていますが、住民が望んでいるのは、要望がきちんと反映される協議会の設置であります。また、民間売却をすべきではないとの問いには明言を避けました。売却する方向での問いに明言を避けました。はっきりと民間には売らないと答弁すべきです。6月16日に行われた地元説明会では、勝手に民間に売却してもらっては困るとか、民間に移ると何が建つのかわからないので不安であるという意見が出ており、また、民間に売ればパチンコ店やカラオケ店、何でもできるという不安の声がその説明会にはいっぱいだったのであります。よって、市長は当該地を民間売却するのでなく、住民参加の協議会をつくり、住民の要望である公園の緑地形成など公共利用をすべきだと思うが、御所見をお伺いして、私の質問を終わります。 115 ◯議長(川口 浩) 山田教育長。 116 ◯教育長(山田裕嗣) 教室の冷暖房についてのお尋ねでございますが、これまでの検討によりまして、扇風機が暑熱対策として有効であり、環境面での影響や経済性においてもすぐれているという結果を得て、今年度400教室において扇風機の設置を行ったところでございます。現在行っております調査結果を踏まえ、今後も段階的に扇風機の設置を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 117 ◯議長(川口 浩) 高田副市長。 118 ◯副市長(高田洋征) 市場の跡地についてのおただしについて、私のほうからお答えをさせていただきます。  現在の青果部3市場用地につきましては、処分によりまして新市場用地の財源とすることを基本といたしておりますが、行政需要の活用や民間への売却などさまざまな観点から十分検討していく必要があると考えております。御要望の公園などの緑地形成等の公的利用につきましても、本市の財政状況や、またまちづくりの観点等踏まえまして総合的に検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 119 ◯議長(川口 浩) 吉田市長。 120 ◯市長(吉田 宏) 原油高騰の支援についてのお話でありますけれども、おっしゃるように漁業、農業関係者とは全く関係のないところで、投機マネーによる原油高騰が世界的に起こっていて、その影響を受けて地域の第1次産業が大変大きな打撃を受けているということは、本当に我々にとっても予想を超えている、大きな影響が出ていると思っています。従事者の方は大変お困りだということの認識も強く持っております。  国の支援でございますけど、ことしの7月には漁業で燃油の高騰対策が発表されておりまして、新たに一部補てんが盛り込まれるなど施策の充実がそれなりに図られているところだと認識をしております。また、8月には農業も含めました緊急総合対策が発表されておりまして、今後さらに具体化されていくというふうに聞いておるところです。国の施策がより効果的なものになるように要望してまいりたいと思っておりますし、市といたしましても低利融資、それから省エネ設備の導入の支援ということに取り組んでまいりましたけれども、これからも農業、漁業の実態把握に努めながら対策を検討してまいりたいと思います。  漁業についてお聞きすると、先ほど議員も指摘されたように集魚灯などにもたくさん油がかかるということで、漁場まで行く燃油だけじゃなくて、そういった漁業の現在のやり方について、やっぱり油がかかると。そういうところを例えば省エネ型の電灯を使うような形で誘導していけるような政策というのは必要ではないかなというふうには思っております。  これ少しお答えとは違いますが、農業全般について、原油をたくさんたいて、そしてハウスの中で育てていくと、確かにそれは品質の安定化にもつながるわけでありますが、そういった農業全体のあり方が将来もそれでいいかどうかというのは、今、消費者も含めて日本の国民全体がやはり考えていくべき1つの局面に来ているのではないかなと、これは別に支援策というようなことではありませんけれども、そういった観点も必要になったのではないかというふうに私個人的には思っております。  それから、学校の空調でございますけど、ことしからといいますか、400教室つけました。先般、2学期に入ってからですけれども、行った小学校では、その日、ちょっと風通しがよかった感じもしまして、扇風機も回っておりましたが、その日は余り暑く感じませんでした。子どもたち、それから先生も扇風機がついてよかったかどうかという話になったときに、校長先生は扇風機がついてよかったと。子どもたちもよかった、よかったと言っているわけじゃありませんでしたけど、さっきちょっと気持ちとしてとおっしゃいましたが、とにかく扇風機がついて今までよりも何かそういう対策をしているということ自体は学校現場では決してマイナスには受けとめていないかなというふうには私も思いました。実際に何度下がっているかどうかというのは、また今も検証しておるということですから、今後はまず扇風機をつけていくということでやっていけたらという教育長のお答えもございましたけど、今後必要な予算措置も講じてまいりたいと思っておるところであります。暑いということは私もよくそれはわかっておりますので、ほかの市の動向も見ながら、またこれからいろいろ研究をしてまいりたいと思います。 121 ◯議長(川口 浩) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、残余の質問は明17日の会議にこれを繰り延べたいと思います。これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 122 ◯議長(川口 浩) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次の会議は明17日午前10時に開きます。  本日はこれをもって散会いたします。                                         午後3時34分 散会 Copyright (c) FUKUOKA CITY, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...